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2002/09/06

<韓国経済>対韓イメージ改善でビジネスチャンス

 駐日韓国企業の多くは、大成功に終わった韓日共催のワールドカップ(W杯)以降、日本人の韓国に対するイメージが大きく改善し、対日ビジネスにプラスになっていると判断している。また、韓日共同市場をめざすFTA(自由貿易協定)を日本市場開拓のチャンスと見ており、販売戦略としてはマーケッティング活動に最大の力点を置いている。駐日韓国企業連合会が最近、加盟企業を対象に「駐日韓国企業の実態」に関するアンケート調査した結果分かったもので、現地化を一層促進して対日ビジネスに拍車をかけようとしている実態が浮かび上がっている。

 この調査は8月5日から3週間かけて加盟257社を対象に実施し、59社から回答が寄せられた(回収率23%)。調査結果、駐日韓国企業の57%が現地法人化されており、現在は支社・支店や事務所であるが今後現地法人化を進める計画との回答も半数あった。

 韓日FTAについて、ほとんどの企業が推進状況を把握しており、FTA締結を賛成する回答が73・1%に達した。「日本市場での価格競争力強化」「韓国商品に対する需要増大」などの対日輸出メリットがあると答えている。だが、積極賛成は26・9%にとどまり、条件付賛成(46・2%)の方が多かった。これは日本の非関税障壁が解消されない場合を憂慮しているからだ。

 韓日W杯以降の対韓イメージに対する設問では、「大幅改善」(44・8%)、「少し改善」(48・3%)を合わせ93・1%の圧倒的多数が改善したと回答している。日本企業及び日本消費者と直接接する機会が多い駐日企業がこのように評価していることの意味は大きい。また、W杯成功がビジネスに及ぼす影響についても72・4%が「助けになる」と答えている。ただし、「大変助けになる」は13・8%にとどまっており、「取り立てて助けにならない」(27・6%)という回答も少なくない。このことはイメージ改善がビジネス改善に連結するには企業自らの努力と時間が必要であると判断しているようだ。

 一方、日本での販売拡大のため駐日企業の多くが「マーケティング強化」(35・1%)に最大の力点を置いており、「品質向上」(29・8%)を上回るほどだ。マーケティング強化のためには展示会参加(27・8%)が最も多く、最も必要とするマーケティング情報として「市場の需要動向」を挙げている。また、62・5%の企業が日本での販売拠点を拡大する計画だと答えている。

 自社ブランド戦略面でも積極的だ。現在25・5%がまだOEM(相手先ブランド)だが、今後自社ブランドの販売を増やす(55・3%)方針だ。このため消費者の認知度向上、独自販売基盤の拡大など必要だとしている。また、対日輸出及び日本内ビジネスで直面する最も大きな障害要因として「閉鎖的な流通慣行」(30・9%)を挙げている。長期景気沈滞に陥っている日本経済の先行きに対しては、「中長期的には回復するのは困難だ」(60・7%)と回答、大変厳しい見方をしている。

 日本市場での競争相手国に関する回答で、最大のライバルは日本(63%)が圧倒的に多く、良く比較されがちの中国は18・5%しかライバルと見ていないのが興味深い。