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2002/08/23

<韓国経済>ディーゼル車の排ガス削減

 政府と現代・起亜自動車および環境団体はこのほど、ディーゼル車「サンタフェ」(現代自動車)と「カレンスⅡ」(起亜自動車)の生産を中止しない代わりに、現代・起亜が生産するディーゼル車の排出ガスを減らすことで合意し協約を結んだ。政府と企業、市民団体が環境問題で歩みより、協約を結んだのは初めてで、今後の環境対策に弾みがつくもようだ。

 現代・起亜自動車と33の環境団体で構成される「ディーゼル自動車問題解決のための共同対策委員会」(ディーゼル車共対委)は、改正された大気環境保全法にのっとり、生産中止を迫られていた多目的(RV)車のうち、「サンタフェ」などを対象から除外し、その代わりに、メーカー側が今年8月から来年12月まで、窒素酸化物1608トン、微細塵204トンを減らすことで合意した。

 環境団体と現代・起亜は6月の話し合いで、同内容について大筋合意していたが、環境部など政府機関と調整が難航し、協約締結が遅れていた。

 合意した「ディーゼルRV車関連の政府、企業、市民共同委員会協約」は7月中旬に作成された協約書の草案よりも大気汚染物質の削減量(窒素酸化物1500トン、微細塵194トン)多少増えている。これは、「サンタフェ」と「カレンスⅡ」から排出される窒素酸化物と微細塵を上乗せしたものだ。これを受けて、7月から中断していた「カレンスⅡ」の出荷が再開された。

 産業資源部は、「市民団体が参加する合意書にはサインできない」と反発、現代・起亜も政府の意向を受けて合意に踏み切らず、話し合いが長期に及んだ。最後に環境部、現代・起亜、ディーゼル自動車共対委の4者の合意案に産業資源部が加わる形で決着した。