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2002/08/02

<韓国経済>構造調整終え成長路線へ

 主要大企業は、昨年から今年上期にかけて高収益を記録し、現金の保有高が急増、余剰資金の使い道に苦慮している。各企業は、新規事業への進出や投資の拡大、M&A(買収・合併)などを模索中だ。通貨危機以後、構造調整に集中してきた努力が実り、ようやく企業は成長路線に転換しはじた。

 国内最大の流動性を誇るサムスンは、今年6月末現在で6兆ウオンの現金資産を確保している。同社は、構造調整本部内にタスクフォースチームを構成し、M&Aの対象企業を選別する作業に着手した。これによって、生命工学、次世代半導体、有機EL、二次電池、3次元ディスプレーといった未来型技術の確保をめざす。

 最近市場が急成長しているTFT―LCD(薄膜トランジスタ駆動液晶表示装置)事業部門は、ガラス基板が1100―1250ミリの第5世代ラインの第1段階工事が10月までに完成する予定で、年内に第2段階増設に着手する計画だ。

 サムスン生命、新羅ホテル(ホテルおよびレストラン)、サムスンエバーランド(ゴルフ場)、サムスン物産、サムスン重工業、サムスンエンジニアリング(建設)なども経済特区開発を事業拡張のチャンスとみて、事業多角的を検討中だ。

 SK(株)とSKグローバルは先週、SKテレコムの株式を海外に売却、それぞれ14億7000万ドルと2億1000万ドルの資金を確保した。

 財界はSKグループが総額16億8000万ドルにおよぶ資金を活用し負債の償還と事業拡張に乗り出すと分析している。SK系列社は最近、KTの株式をはじめ、ライコス、トゥルーネット、世界物産、全北銀行クレジットカード事業部を買収し、事業領域の拡張を図っている。

 上半期に過去最高の実績をあげた現代・起亜自動車は、今年第1四半期末現在で、現代が3兆ウオン、起亜が1兆1000億ウオンの現金を確保している。これを部品事業の強化と海外工場の建設に充てる計画だ。

 現代は、6月にドイツの自動車部品会社ZFと包括的提携を結び、近く20%の株式を取得するとも伝えられている。また米アラバマ州の工場設立に2004年までに10億ドルを投入する予定だ。さらに、2005年までに4億3000万ドルを投資して、中国・北京自動車と合弁工場を建設する。