携帯電話とシステムなど移動通信機器の輸出が爆発的に増えており、自動車を抜き半導体に次ぐ韓国第二の輸出商品に浮上している。情報通信部と関連業界によると、今年上半期(1―6月)の移動通信機器の輸出実績は57億700万㌦に達し、前年同期比43%増を記録した。このような輸出好調は、携帯電話の性能アップだけでなく、デザインが人気を呼ぶなど海外で有名ブランドの評価が定着した結果とみられている。政府は、新たな外貨稼ぎ頭として登場した携帯電話の輸出市場拡大を支援する対策に乗り出した。
移動通信機器はここ数年で急成長、輸出も急カーブで増大している。わずか4年前の98年には年間14億㌦にすぎなかったが、99年には倍以上の36億5000万㌦、2000年84億㌦と増え続け、昨年は100億㌦を突破した。今年に入っても衰えを知らず、上半期で60億㌦に肉薄、年間では150億㌦(携帯電話120億㌦、システム30億㌦)が予想されている。
上半期の輸出上位品目をみると、6月20日までの実績で自動車55億㌦、船舶50億㌦、繊維織物39億5000万㌦を上回っている。年間では輸出品トップの半導体(200億㌦)には及ばないものの、自動車(140億㌦)を抜き第2位に躍り出るのは間違いないと見られている。
国内最大の携帯電話輸出メーカーであるサムスン電子関係者は、「韓国製はもう世界市場で一流ブランドと評価されている。従って、今後さらに輸出ドライブがかかりそうだ」と語った。 そのサムスン電子はノキア、モトローラに次いで世界第3のメーカーだが、世界8位にはLG電子がつけている。さらにセウォンテレココム、ファンテックなど中堅メーカーも年間1000万台以上の生産能力をもつ設備を備えるなど規模の経済を実現している点も輸出増大の要因になっている。さらに中小ベンチャー企業も技術力をバックに中国などの有力市場で頭角を現している。
韓国製携帯電話は高付加価値型の製品市場でのシェアが高く、20―30%台の高い利益率をあげているのが大きな特徴だろう。価格は世界の有力メーカーに比べむしろ高い。例えば、欧州でサムスン電子の主力商品は400ユーロ(約47万ウオン)で販売されている。これはノキア製の300ユーロよりはるかに高い。米国市場でもサムスン製は170―180㌦で売られており、130㌦台の低価格品とは一線を画している。性能への評価は確実に高いことを示すものだ。最近ではサムスン電子の利益率が27%で、ノキアの20%より高くなっている。
携帯電話の場合、他の商品と違い特定地域への依存度が低く、北米、欧州、アジアなど全世界を対象に伸びているだけに今後とも有望な輸出商品だ。現在、世界の携帯電話市場は4億万台。全体的には下降気味でノキアなどのトップメーカーも販売が鈍化。ほとんど韓国製だけが伸びているという状況であり、これは性能もさることながら、消費者の要求に的確に応えていることが大きい。
LG電子関係者は、「世界のどの国に比べても韓国の消費者の好みは複雑だ。だから国内市場で成功した商品は世界市場で成功しないはずはない」と分析した。
政府は携帯電話の輸出支援に乗り出し、競争力のあるCDMA方式の移動通信ベルト構築事業を推進している。