韓国株の売り攻勢を続けていた外国人機関投資家が、突然買いに転じ、6月最初の商い日である3日は、800億ウオンの買い越しとなった。昨年下期の米の同時多発テロ事件以後、韓国株式市場は内需株が支えてきたが、輸出の回復で本格的な上昇局面に入ると判断したもようだ。
ウォン高という「地雷」はあるが、投資家は景気の上昇が続き、輸出関連株に対する期待感が広がり、いまが「買い」とみているようだ。
メリルリンチ証券とソロモンスミスバーニー証券は、一斉に韓国株の「買い」シグナルを発した。これに呼応して外国人投資家も模様眺めから買いに転じている。
景気上昇にもかかわらず、総合株価指数は一時800ラインを割り込むなど今年2月水準に落ち込んだ。これをみて機関投資家は「市場が底を打った」と判断したもようだ。特にメリルリンチ証券は、ウォン高と金利引き上げで国内の景気過熱に対する憂慮が払拭されたと判断、韓国市場への株式投資比率を引き上げている。
ソロモンスミスバーニー証券も、韓国市場についての報告書で、景気が底を打つ兆候がみられると指摘、今後、韓国株式市場を注意深く見守る必要があると分析している。
外資系証券会社は、最近、総合株価指数が15%下落したことに対しては、昨年10月から6カ月間連続上昇したことによる反動で、一時的な調整と分析する。メリルリンチは不動産取引やクレジットカードの使用規制などで内需の過熱が適当な水準に抑制されたとみており、韓国経済は緩やかな成長を維持し、株式市場も好転すると予想。さらに、ウォン高は今後数年間続くが、韓国の輸出企業の競争力がこれ以上落ちないと判断し、有力企業への投資戦略を見直し、サムスン電子は25%から30%に、国民銀行は8%から10%に、引き上げる方針だ。