現代自動車はこのほど理事会を開き、米国現地工場設立に関する投資計画を正式承認、米アラバマ州モンゴメリー市に工場を建設することを最終決定した。国内メーカーが世界最大のマーケットを誇る米国に工場を建設するのは初めてで、現代は米国に生産拠点を確保することによって、本格的な世界制覇に乗り出す。
2日に開かれた現代自動車の理事会で金東晋社長は、約10万ドルをかけ、モンゴメリー市の647万平方メートルの敷地に年産30万台規模の工場を建設する計画を発表した。
米国で生産するのは、乗用車「EFソナタ」の後続モデル「NF」(プロジェクト名)とSUV「サンタフェ」の後続モデル。
現代はこの1年間に米国各地を調査し、工場の立地条件などについて検討を重ね、50の候補地の中からモンゴメリーに白羽の矢を立てた。現代によると、モンゴメリーは、電気や水道、工業用水などの関連設備が整い、質の高い労働力の確保、関連部品の調達が容易で、州政府も工場誘致に前向きで、これらの点を評価したという。
アラバマ州は現在、農業用地を工業地域に変えるため開発を進めており、同州に進出を希望する企業に対して、破格の金融条件と用地提供を行っている。同州は米国でも「田舎」というイメージが強いが、ベンツやホンダが工場を建設しており、近いうちにトヨタもエンジン工場を建設する計画だ。ここに現代が進出すれば、アラバマは、米国の一大自動車工業地帯に生まれ変わる。
現代は、自動車王国・米国で競争力を確保するため、国内の下請けメーカーを大挙同伴進出させる計画だ。また、市場の拡大に備えて販売網とサービス網の構築を急ぐ。