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2002/03/08

<韓国経済>WTO提訴も辞さず

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    米のセーフティガード発動で韓国の鉄鋼は大きな被害を受けそうだ

 ブッシュ米大統領が5日発表した鉄鋼製品に対する緊急輸入制限措置(セーフガード)の発動が大きな波紋を呼んでいる。米は鉄鋼業界の保護のため、韓国などから輸入している鉄鋼製品に対し8―30%の高い関税を上乗せするとしており、業界の打撃は甚大だ。政府は、今回の発動が世界貿易機関(WTO)に違反している疑いもあるとして、WTOへの提訴を視野に、セーフガードの対象となっている欧州連合(EU)や日本など協調しながら打開策を探る構えだ。

 米が提示した品目別の関税率は、錫メッキ鋼板と冷延鋼板、厚板などの板材類、熱延および冷延製品、スラブがそれぞれ30%で最も高く、溶接鋼板、ステンレス棒鋼、ステンレス線材が各15%、管連結製品13%、ステンレスワイヤー8%となっている。

 政府はWTOへの提訴する意向を固めており、外交通商部は米政府のセーフガード措置に対し遺憾の意を表すとともに、EUおよび日本など主要鉄鋼生産国と共同歩調をとると発表した。

 外交通商部の関係者は、「WTOへの提訴方針を明らかにしたEUと共同歩調をとる方針で、関係機関の合意を得てWTOへの提訴を検討する」と明らかにした。

 また外交通商部は、官民共同対策機構を通じて、今後の対応案を協議する一方、4月18日に開かれる予定の経済協力開発機構(OECD)の鉄鋼高位級協議を通じて、米国にセーフガードの撤回を促す方針だ。

 韓国は昨年、鉄鋼輸出量の16%(金額ベース)、201万トン(9億4000万ドル相当)を米国市場に供給しており、今回のセーフガード発動で大きな被害を被ることになる。

 韓国鉄鋼協会は、「予想よりも高い関税率にショックをかくせない」とし、「過剰規制措置ともいえるので、内容を検討しWTOに提訴したい」と述べている。鉄鋼協会は10―20%の関税率を想定していたという。

 米国の輸入規制で、各国が米国市場でさばけなくなった鉄鋼製品を東南アジアなど他の地域に向ければ価格の下落は避けられず、今年に入り回復の兆しをみせている国際鉄鋼市況が再び悪化するのではないかと業界は警戒を強めている。