韓国鉄道の労使交渉が2月27日早朝、スト突入から50数時間ぶりに妥結した。25日に合意したガスに続いての合意で、27日午後から通常業運転を再開した。電力は27日午前の段階で交渉のお大詰めを迎えている。今回の鉄道紛争は、労使交渉の焦点となっていた金大中政権の民営化計画に関し、「鉄道が重要な公共交通手段であるとの認識を新たにし、労使が鉄道産業の発展に努力する」という文言を合意文に盛り込むことで一応の解決を見た。
孫鶴來・鉄道庁長と金・鉄道労組委員長は27日午前6時40分、▽民営化問題▽労働時間短縮および勤務形態の変更▽交代勤務の時間短縮▽解雇者の復職▽人員補充▽制度改善および手当て改善▽産業安全対策▽福利厚生向上――の7項目について合意文にサインし、交渉が妥結したと正式発表した。金委員長は同7時にスト撤回を宣言、労組員に正午までに業務に復帰するよう命じた。
最大の争点だった民営化問題は、鉄道の公共性を認めるという内容を明示することで一応の決着にこぎつけ、解雇者の復職問題は、具体的な内容について9月末までに韓国労総、労使政委員会、鉄道労組が協議して決定するとしている。
3グループ2交代制に関しては、6カ月以内に人材を集め、テスト運転を実施したあと、2003年から2004年にかけて段階的に勤務時間の短縮を図る。これに伴う収入減は鉄道庁が補填するとしている。
長期化が予想されていた鉄道労組のストが劇的な妥結によって撤回されたのは、労使双方にストの長期化が「共倒れ」を招くという危機意識が強く働いたためとみられる。
ガスは、韓国ガス公社労組が団体協約合意案を受け入れ、また林來圭・産業資源部次官と「ガス産業構造改編」に関して合意、25日午前にスト突入が回避された。
電力は現在交渉が大詰めに入っている。雇用安全委員会の構成および運営方法、解雇者の復職などが争点となっているが、鉄道、ガスが短期間で妥結したことで、電力も早期解決に向かうもようだ。