2001年第3四半期を底値に回復局面へ入ったパソコン産業は、非需要期である12月と1月も堅調な出荷量を維持し、比較的順調な速度で回復している。パソコン市場が期待以上の回復基調を見せている理由は、米国を中心とした消費者の購買意欲の回復、昨年続落したパソコン価格が、このところのメモリー製品の価格引き上げに伴って安定上昇している点などが挙げられる。さらに、個人向けも需要の回復が予想よりも早まっている。
ノートブックとモニターの需要増で回復局面に入ったTFT-LCD(薄膜トランジスタ駆動液晶表示装置)に続いて、低迷していたCDT(カラーディスプレー)も期待以上の需要の伸びを見せている。これは、パソコン市場の回復基調に加え、営業環境が悪化したために日本企業が市場から撤収したことによるもので、需給バランスが調整され、需要が安定してきたためだ。当初、TFT-LCDの普及によってモニター市場で苦戦を強いられると予想されていたCDTが期待以上の善戦を見せており、下期のパソコン市場の回復による需要増を考慮すると、今年のCDT部門の実績は当初の期待をはるかに上回る見通しだ。パソコン市場の早期回復で、この間、低迷していたCDT、モバイルディスプレー、TV関連ディスプレーなどのディスプレー銘柄は上昇が期待でき、今後の投資は有望とみられる。(分析=大信証券)