韓国の有望輸出市場として急浮上している中国で、韓国製品が苦戦している。2000年に10%を占め、中国の輸入市場で3位だったシェアは、一ケタ台に落ち、米国に抜かれて4位に後退した。このためシンクタンクは、早急に対中輸出戦略の見直しを図り、市場開拓を強化していくことが必要だと指摘している。
韓国貿易協会とKOTRA(大韓貿易投資振興公社)が、中国政府が発表した2001年輸入統計資料をもとに分析した結果、中国の昨年の輸入実績は2435億㌦で、前年比8・2%の伸びを記録した。輸入相手国別では、日本が428億㌦で3・1%、台湾が273億㌦で7・2%、米国は262億㌦で17・2%それぞれ増加した。
これに対して韓国製品の輸入は233億㌦、0・8%増にとどまり、2000年に3位(10・31%)だったシェアは9・6%に低下し、4位に転落した。韓国に代わって2000年に4位(9・9%)だった米国が3位(10・7%)に浮上した。
KOTRA海外調査チームは、「世界的な景気の沈滞が中国への輸出にも影響し、特に原資材の輸出比重が高い対中輸出が打撃を受けた。その半面、米国は中国に対する直接投資を大幅に増やしたため、原資材輸出が増えた」と分析、「単純に商品を売ることより、対中直接投資を増やせば、輸出が好転する」と提言している。
中国市場でのシェア1位品目数でも、韓国は日本、台湾、米国に大きく水を開けられている。韓国産業経済研究院が中国の輸入品目4600の国家別競争力を分析したところ、韓国が1位の品目は337にすぎず、日本(1272)の4分の1、米国(685)と台湾(650)の半分程度にとどまっている。また、シェア1―5位品目をみると、日本が3505で最も多く、台湾(2839)、米国(2810)、韓国(2084)と続く。韓国が競争力を持つ品目は鉄鋼、石油化学製品、繊維・衣類、電子機器などだ。
同研究院は、「中国の産業政策と外国人投資振興策をみると、韓国が対中輸出で強みを発揮している重化学や電子分野を育成しようとしており、今後、対中輸出のマイナス要因となる」と指摘、「これからは直接投資や戦略的提携、資本参加など多様な対中経済協力を進めるなど、従来の輸出戦略からの転換が必要だ」と提言している。