今週初めのサムスンを皮切りに始まった今年の企業人事は、これまでの慣例を廃し「実績主義」が適用されるもようだ。サムスンは経営が好転し、実績が大きく改善された系列会社の役員を昇進させ、いわゆる年功序列に基づいた人事は事実上姿を消した。サムスンのこのような人事は、今月末から3月にかけて行われる他の財閥グループの役員人事にも影響を与えるもようだ。
サムスンが13日に断行した役員人事は、「首脳部の現状維持」と「中下位役員の大幅人事刷新」に集約される。
サムスン電子など系列会社の社長を大部分留任させる一方、社長クラス2人と役員319人を昇進させた。昨年の人事は社長14人、役員346人が交代したが、それに比べ今年は規模がかなり小さい。
主な異動は、サムスン物産の建設部門の宋容魯社長がサムスンコーニング社長に、サムスン電子の姜皓文副社長がサムスン電機社長待遇に、サムスンSDSの朴亮圭常務がサムスンネットワーク社長に就任する。
一方、昨年昇進したばかりの役員が早くも一線から退く更迭人事も目を引く。これは若い役員の競争意識を高めるのがねらいのようだ。
LGグループは、一部の系列会社を除いて昨年と同じように3月の定期株主総会以後に役員人事を行う。今年の人事は、内実経営を本格化するという方針に則り、従来の経営陣が大きく変わることはなく、内部固めの人事になるもようだ。
SKは、2月末から3月初めにかけてCEO(最高経営責任者)と役員などを含め一気に人事を断行する。SKは今年初めて個人別成果測定モデルを導入、今回の人事では、この評価に基づき人事を決定するとしており、昨年かなりの実績を上げた情報通信分野の大型昇進人事が予想される。
現代自動車は、INIスチール、ハイスコなど鉄鋼関連の会長クラスの交代と役員の昇進人事を今月末までに実施する予定だ。系列社のCEOの交代は最小限にとどめ、その代わり、昨年過去最高の実績を記録した現代自動車と起亜自動車の国内営業部門と輸出部門を中心に大幅昇進人事を断行すると予想される。