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2002/01/11

<韓国経済>国有銀行を早期民営化へ

 政府の金融民営化プロジェクトが4月から本格化する。財政経済部の関係者が明らかにしたもので、第1四半期から国営金融機関の民営化に着手し、業績や経営改善状況、株価水準などを考慮して随時推進していく。朝興銀行とウリ金融グループに対する政府の民営化案は海外株式預託証書(DR)の発行を通じた株式の売却を優先するが、市場の条件が整わなければ、民営化投資基金を通じて早期民営化を目指す方針だ。政府は現在、銀行の独立経営を確立するため、金融機関別に最適な民営化案を模索している。

 まず朝興銀行は、第2四半期にも5億―7億ドルの海外株式預託証書(GDR)を発行する予定だ。これに関して魏聖復・朝興銀行長は、「(朝興銀行の)株価が1株当たり5700ウオン台以上に上がった段階で、最大7億ドル規模の海外DRを発行する計画だ」と語っている。

 ウリ金融グループに対しては、上期中に一部の株式(7億2000万株のうち1億株)を韓国証券取引所に上場したあと、下期には米ニューヨーク市場に上場し外資誘致を図る方針だ。

 また政府は、民営化投資基金(PIF)の設立や他社株転換社債(EB)を発行して民営化の時期を早める案も検討している。政府としては、「官治金融」を憂慮する国内外からのプレッシャーもあり、今年不足している公的資金7000億―1兆3000億ウオンを金融機関の民営化を通じて確保しなければならないという焦りがある。

 政府は朝興銀行の売却に際して、できるだけプレミアを高くしたいという意向から、DR発行の時期を第1四半期以降に延ばし、その間に朝興銀行の経営改善をさらに進める考えだ。

 ウリ金融について財政経済部の関係者は、「朝興銀行と違い、市場で評価が形成されていないのが売却のネックだ」と話しており、国内外の投資家に経営正常化を認識させるにはしばらく時間がかかる見通しだ。