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2003/12/05

<韓国経済>駐日韓国企業連合会創立10周年特集

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    韓日経済人の夕べ ― 駐日韓国企業連合会創立10周年特集 ―

 駐日韓国企業連合会が創立10周年を迎え、このほど都内のホテルで記念行事「韓日経済人の夕べ」を開き、参加した韓日の経済人ら350人が創立10周年を盛大に祝った。

 この10年間は日本進出韓国企業の求心体、韓国経済協会の懸け橋として、会員間の情報交換、韓日企業間の相互交流・親睦を図る一方、駐日韓国企業の対日輸出をサポートしてきた。また、日本経済産業省と年2回の定例会議を持ち、非関税障壁の撤廃など駐日韓国企業の要望を伝える対日交渉窓口の役割を果たしてきた。日本政府も、連合会を駐日韓国企業の総意と認めている。活動内容を具体的にみると、対日輸出隘路事項に対する提言活動、日本経済の動向や展望などを解説するセミナーなどの開催、ホームページを活用したビジネス情報の提供などがある。特に、駐日企業の人材採用と就業支援が評判を呼んでおり、現在ネット上に2700人の求職者を登録中だ。

 今後の10年を展望すると、やはり22日から政府間交渉がはじまる韓日FTA(自由貿易協定)が大きなインパクトになりそうだ。すでに、この10年間に韓日間の貿易障壁は相当に緩和されている。特に、対日貿易不均衡の是正措置としてとった電子製品や自動車に対する輸入規制は完全に解かれており、日本の電化製品や自動車が人気を呼んでいる。一方でキムチや焼酎、ラーメンなどの食品はすっかり日本市場に定着しており、家電製品ばかりでなく自動車も進出した。双方向で物資が行き来するあたら新段階に入った。FTAはその流れを加速するものだ。

 連合会の事務局長、朴良燮・韓国貿易協会東京支部長は、「輸入規制もあったが、それも解除された。今後は韓日間で競争がより激しくなるだろう。そのため、駐日韓国企業が活動を強化するためには企業間の団結がより一層重要な時代になると思う。特に、今後2年間は韓日FTA政府間交渉をしていくのだから、政府との連携も重要になる。連合会はその仲介役としても大きな役割があると思う」と語った。

 韓日共同市場へ向けて動き始めたいま、各企業にとって大きな市場が広がると同時に競争激化にどう対応するかが迫られる。駐日韓国企業の連合会の役割もそれに伴い、これまで以上に大きくなりそうだ。

 ◆ 組織と沿革 ◆

 駐日韓国企業連合会は、1993年7月、駐日韓国大使主宰の輸出促進協議会で提案され、同年11月15日に創立された。初代会長は双龍ジャパンの安宗原社長が就任。96年には関西地域本部が結成される。2代―3代会長の李スチョル・サムスンジャパン社長、4代会長の金正・ハンファジャパン社長、第5代会長の金大郁・双龍ジャパン社長、第6代の金ジョンシク・現代ジャパン社長を経て、今年3月に韓光熙ポスコ東京支店長第7代会長に就任した。

 現在の会員数は267社で、うち現地法人が半数以上の142社。この10年間で支社や事務所の形態から急速に現地化されているのが特徴だ。これら会員社の実に90%近い240社が東京に集中している。支店や事務所を含めた事業所総数は374に達し、雇用人員は4304人に達する。約8割の3354人が現地採用だ。本国からきた韓国人、日本人、大手財閥企業のほとんどが在日同胞の混成部隊だ。

 韓国の主要財閥企業はほとんど会員に網羅しており、進出業種も多様だ。このため、①総合商社②繊維③電子④電気⑤鉄鋼金属⑥石油化学⑦機械自動車⑧農水産食品⑨情報技術⑩建設⑪金融⑫証券⑬保険⑭運送⑮観光航空の分科委員会を設けている。

 会長団は、韓光熙会長のもと、顧問2人(鄭ジュンミョン・日本サムスン社長、金正翊・大韓航空本部長)、副会長9人(金達雄・LG電子ジャパン社長、安相祐・日本サムスン本部長、金泰勲・真露ジャパン社長、玄東實・アシアナ航空本部長、林在賢・国民銀行東京支店長、金柄和・ロッテ製菓東京所長、朴善奎・現代モービス東京支店長、朴良燮・韓国貿易協会東京支部長、呉恒燮・韓国外換銀行大阪支店長)の12人で構成。その他理事、監査を含め49人で理事会を開いている。事務局は韓国貿易協会東京支部が兼務。


◆写真は駐日韓国企業連合会創立10周年を祝う左から

  藤村正哉  (財)日韓文化交流基金会長
          (日韓経済協会名誉会長)
  朴 一 哲  東洋経済日報社会長
  崔 書 勉  (財)国際韓国研究院理事長
  孔 魯 明  元韓国外務部長官・駐日大使
  林 洋 和  経済産業省通商政策局長
  趙 世 衡  駐日韓国大使
  飯島英胤  東レ本社特別顧問
  金 建 治  在日韓国商工会議所会長
  韓 光 熙  駐日韓国企業連合会会長
          (ポスコ東京支店長)
  鄭ジュンミョン  日本サムスン社長