SKCの天安工場が米国防部から次世代2次電池の納品業者に指定される見通しだ。指定されれば、供給額は10億㌦にのぼる。最近、米国防部の調査団が同工場を訪れ、生産能力と技術力を調査した。今後60日以内に正式契約を結ぶ予定だ。
SKCは、ビデオテープが主力だったが、斜陽化で事業を整理し、リチウムイオンポリマー電池など2次電池とLCDフィルム、PDPフィルターなど高付加価値事業に転換した。米国防総省との商談は、その成果の表れで、業界の注目を集めている。
ロッキー・ライナー米空軍大佐など12人で構成された米国防総省調査団が27日、SKC天安工場を訪問した。同工場で記者会見したライナー大佐は、「SKCのリチウムイオンポリマー電子(LIPB)を試験的に使用し、性能が良好なら10億㌦相当を発注する1次契約を結ぶ」と発表した。
米国防総省は、SKCを米軍のオフィシャル納品業者に選定する考えで、生産能力や技術力を検証したもようだ。
ライナー大佐は、「SKCが生産するLIPBは、現在市販中の他社製品より優秀だ」と述べ、特に耐熱性、耐久性、安全性で他のメーカーの製品より優れていると評価した。米国防総省は、SKCから購入した2次電池をイラク駐留部隊の各種ハイテク携帯装備に使用する計画だという。
SKCは、「2次電池で世界シェアトップのソニーなどライバル社を抑えてSKCが米国防総省と契約できれば、技術力で世界のトップに立てる」と強調している。
ソウル市から1時間余りの忠清南道・天安市にある同工場は、これまでビデオテープを主力製品として生産してきた。しかし、年々需要が減り、付加価値も低いため、90年代半ばから中国メーカーがテープの生産を開始したのを機にテープの生産を中止し、2次電池やPDPフィルターに事業を転換した。昨年4月に月25万セル規模の2次電池生産ラインを設置したのに続き、先月25日には月100万セルのラインを完成させた。
同社は米国防総省への納品に成功すれば、2次電池の生産能力を月350万セルに拡大し、月1200億ウオンの売上高を達成、2次電池で世界の頂点に立つ計画だ。