サムスン火災海上保険が北朝鮮の朝鮮国際保険と提携し、開城工団関連の損害補償業務に乗り出す。これによって今後、開城工団を行き交う韓国人および車両事故や開城工団の稼働に伴う各種災害に補償の道が開かれることになった。
政府と金融関係者はこのほど、「サムスン火災が今月はじめ、平壌で朝鮮国際保険と包括的な保険業務の協力協定締結に合意した」と語った。サムスングループは、この事実を統一部に報告したもようだ。
関係者によると、朝鮮国際保険が開城工団を行き交う韓国人と車両の事故などすべての損害に対して補償する1次保険会社の役割を担い、サムスン火災は特定の損害を担当する災害保険会社の役割を果たす。
両者は包括的な合意に基づき、損害の算定、保険料の納入・支払いなど細部の業務処理に関する問題について、開城工団の進展状況をみながら段階的に協議していく。ただし、韓国企業の便宜のために、保険料の納入などはサムスン火災が代行する。
これと関連して金融監督院は、「南北交流は統一部の承認事項だが、災害保険業務は金融当局の許可なしに当事者間の契約だけで推進できる」と語っている。開城工団を行き交う人員と物資の事故が補償されれば、北朝鮮進出を希望する韓国企業が増えるもようだ。
中小企業協同組合中央会の調査によると、繊維、衣類、製靴、電気・電子で400余りの韓国企業が開城工団への進出を希望していることが明らかになっている。開城工団は来年3月にテスト工団3万3000平方㍍を着工し、同11月に1次分譲を開始する。
一方、サムスン火災関係者は、「開城工団が稼働すれば、膨大な貨物量が発生すると予想され、これに対する保険サービスも検討している」と明らかにした。
パートナーの朝鮮国際保険(KFIC)は、火災、船舶など財産保険を専門に扱う北朝鮮唯一の国家保険機関。