ここから本文です

2003/11/07

<韓国経済>財界は戦々恐々

 SKの不正資金事件を捜査している検察はこのほど、昨年末の大統領選挙時に、ハンナラ党と民主党が企業から受け取ったとされる不正資金を全面的に解明することを決めた。しかし検察は、経済に及ぼす影響を憂慮し、資金を受け取った政界に捜査の焦点を合わせ、企業に対しては捜査過程で手がかりをつかんだ場合に限り追求するなど慎重な姿勢をとる。検察の企業への配慮にもかかわらず、財界は不正政治資金の提供が明らかになれば、関連企業の国際信用度が落ち、外国人の投資が委縮すると懸念している。

 安大熙・大検察庁中央捜査部部長検事は、「SK不正事件の捜査を与野党の昨年の大統領選挙資金全般に対する捜査に拡大する」と発表した。しかし、安部長検事は、「不法な選挙資金の手がかりが出れば、もちろん捜査をするが、政治資金を提供したすべての企業を無制限に捜査することはしない」と述べた。

 検察はSK以外にサムスン、LG、現代自動車、ロッテの企業グループが、大統領選挙時にハンナラ党と民主党に不正資金を提供し、これ以外にも一部の企業が巨額の資金を提供したという事実があったことを把握していると伝えられている。

 安部長検事はまた、捜査によって企業の営業活動を萎縮させてはならないと強調。捜査過程で大統領側近の不正が新たに明らかになった場合、厳正な捜査を行うと付け加えた。検察は、捜査の衡平性に神経をとがらせているもようだ。

 検察はこの発表に続き、不正資金を提供した関連企業の役員らを召喚、提供した大統領選挙資金の規模と資金伝達の方法、資金の出所などを解明する。

 一方、大検察中央捜査部は、盧武鉉大統領の側近だった崔導術・前青瓦台総務秘書官がSK以外に7、8社から億単位の金品を受け取っていたという手がかりをつかんだとされ、捜査を拡大しているという。

 盧大統領は今月初め、不正が明らかになった場合、特別検察の捜査も受け入れる用意があると明らかにしており、崔氏に対する追加捜査の結果によっては、波紋が広がる可能性が出てきた。