サムスン電子が未来の成長エンジンとしてフラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込みが可能な読み出し専用メモリー)を選択した。次世代の主力製品としてフラッシュメモリーを集中育成し、来年にもフラッシュメモリーの世界市場でシェア1位を確保、メモリー半導体の売上だけで100億㌦の達成をめざす。
サムスン電子の李健熙会長はこのほど、ソウル市内のホテルで「半導体の特別戦略会議」を主宰し、この席でフラッシュメモリーの集中育成を指示した。この会議には李鶴洙・構造調整本部長、黄昌圭・サムスン電子メモリー事業部担当社長をはじめ、実務役員と半導体担当者、研究員まで出席した。
サムスンは戦略会議で、市場競争がし烈で収益性が落ちているDRAM部門を先端高付加価値製品に特化する一方、爆発的な成長が予想されるフラッシュメモリー分野に力を注ぐことを決めた。パソコン用メモリーに使用されるDRAMは景気に敏感だが、携帯電話、デジタルカメラ、MP3プレーヤーなどのメモリーカードに使用されるフラッシュメモリーは、市場規模が年平均20%ずつ成長、2007年には160億㌦に達すると予想されている。
李会長は、「20年前、半導体をスタートさせた時、多くの人が無謀と反対したが、進むべき道は半導体しかないと考え投資を決定した」と過去を振り返り、「フラッシュメモリーで世界1を達成し、第2の跳躍をめざそう」と檄をとばした。
黄社長は、今回の会議で、「全世界のメモリー企業が苦戦しているが、サムスンは順調で今年も売上および収益で20%以上の成長を見込んでいる」とし、「来年340億㌦の世界メモリー市場で30%以上のシェアを確保したい」と語った。
今回の会議では、▽メモリー半導体市場の現況と展望▽次世代先端製品の開発現況▽直径300㍉ウエハー技術の開発および量産化推進状況▽フラッシュメモリー育成戦略などが討議された。