郵便法の改正で資産50兆ウォンを抱える郵政事業本部は、来年から最大5兆5000億ウォンを株式投資などで運用できるようになる。これまで郵政事業本部は政府が発行した株式や政府が50%以上投資している企業の株式しか購入できず、事実上の投資は不可能だった。また、電子署名による預金取引が可能になり、国内最大のネットをもつ郵政事業本部は預金・保険業務だけでなく、銀行と変わらない業務ができるようになる。
郵政事業本部はこのほど、これらの内容を骨子とする「郵便局預金、保険に関する法律改正案」を今月中にも定期国会に上程し、来年初めにも施行すると明らかにした。
同改正案によると、預金総額(現在30兆ウオン)の5%(1兆5000億ウオン)以内で上場企業の株式売買ができるようになる。現在、都市銀行の株式投資規模は資産の2%程度だ。
また、現在20兆ウオンに達する郵便保険総額の20%(4兆ウオン)以内で株式の売買ができる。預金と保険を合わせると最高で5兆5000億ウオンを株式投資に回すことが可能になるもようだ。これまで購入が法律で禁止されていた会社債とデリバティブ商品も直接購入できる。
現在の試算では、郵政事業本部資産のうち財政経済部が管理する公共資金管理基金と国債などに投資された30兆ウオンを除く20兆ウオン(株式投資金額含む)を会社債や各種金融商品に投資できるようになる。
一方、郵便預金は、印鑑や本人の直接サインによって出し入れされてきたが、改正案ではインターネットバンキングによって、電子署名による取引も可能になる。来年からは郵政事業本部のホームページにアクセスし、ネット上での預金や引き出しが自由にできるようになる見込みだ。
国内に2800カ所余りに郵便局を持つ郵政事業本部が、株式、債券などに投資する新しい金融商品を目玉に、預金獲得に乗り出す場合の経済効果は計り知れない。大型機関投資家の登場で、証券市場の活性化にもつながりそうだ。