政府はこのほど、金振杓・財政経済部長官主宰の経済政策調整会議を開き、信用不良者(ブラックリスト)対策、女性経済活動の活性化など、盧武鉉大統領が「8・15」慶祝辞で打ち出した経済課題への取り組みについて協議した。
信用不良者対策と関連して政府は、95年から銀行連合会が統合管理してきた信用不良者の登録制度(ブラックリスト)を段階的に廃止することを決めた。3カ月間で30万ウオン以上の延滞金が発生した場合に、一律にブラックリストに載る現行の信用不良者登録および管理制度を廃止し、債務者の延滞情報を金融機関や信用情報会社などが総合的に管理する案を推進する。
延滞金が二つ以上の金融機関にまたがる多重債務者(231万人)については、共同債権管理プログラムと信用回復支援委員会のサポートを受ける。また金融機関1社のみから信用不良者として登録されている104万人は、信用回復支援プログラムを通じて債務再調整などの救済が受けられる。
産業銀行とLG証券が開発し、12の金融機関が参加する共同債権管理プログラムが10月末からスタートすれば、104万人の信用不良者のうち10-20%が正常化すると政府は見通している。
さらに、1000万ウオン未満の小額を延滞している信用不良者には、返済金の貸出、利子減免、満期延長などを通じて債務の再調整を行う方針だ。
政府のこのような制度改編は、日を追うごとに増える信用不良者の処理が大きな負担になっているためだ。韓国開発研究院(KDI)は、全面的な制度改革がなされないかぎり、信用不良者問題の根本的な解決は不可能だと指摘していた。
この政府案に対して、実効性を疑問視する声もある。民間主導の信用管理では、金融情報処理の客観性が損なわれ、信用登録制度が廃止されれば、債務延滞者のモラルハザードを煽る結果になると指摘する。
一方、会議では、来年から6歳未満の幼児に対する所得控除対象を、現行の女性および片親勤労者から、子どもを持つすべての勤労者と自営業者に拡大することを決定した。