サムスン電子が直径300㍉のウエハーを使った世界初の1ギガ(ギガは10億)ビツトDDR(ダブル・データ・レート)DRAM(記憶保持動作が必要な随時読み出し書き込みメモリー)の量産に入り、半導体業界に本格的な「ギガDRAM」時代が到来した。ライバル社の量産は2005年ごろになる見込みで、サムスンは1ギガDRAMで一歩リードした。2007年には1ギガDRAMがDRAM市場の半分を占めると予想され、サムスンのトップの地位が不動のものになりそうだ。
サムスン電子は14日、京畿道華城工場で世界で初めて1ギガDDR・ DRAMの量産を開始した。1ギガDRAMは、現在の主力製品256メガに比べ記憶容量が4倍に達する。サーバー用モジュールとして使用すると、4ギガまで容量を拡大でき、1個で英字新聞26万㌻、音楽ファイル1000曲、映画8時間分が収録できる。
1ギガの量産のためには、回路線幅0・10マイクロ(百万分の1)の工程技術が必要だが、他の企業はまだ確保していない。独インフィニオン、米マイクロン・テクノロジーなどは、技術的に一歩遅れている0・13マイクロ段階にとどまっているといわれる。
さらに300ミリウエハーの加工技術を確保したことも量産を早めた。300ミリ工程はライバル企業が使っている200ミリに比べて生産量が2・5倍にもなるため、生産性が高い。
業界では、サムスンとマイクロン、インフィニオン、ハイニックスとの技術力に、半年ないし1年以上の開きがあるとみている。
すでにサムスンは、米インテルから1ギガDRAMの技術認証を取得しており、高速サーバー向けに供給を開始する。
1ギガの需要はいまのところ大型サーバーが主体で、今年の市場規模は9000万ドル程度だが、2007年には121億4000万ドルに拡大すると予想されている。また、1ギガ価格は、同クラスのNAND型フッラシュメモリーの10倍も高く1個100-150ドルするが、サムスンの量産で価格が下がり、パソコンに搭載されば爆発的に普及する見通しだ。