ここから本文です

2003/06/27

<韓国経済>労働界の不法争議中止せよ

  • keizai_030627.jpg

    労働争議で財界は緊急会合を開いた(左から金在哲・貿協会長、
    金昌星・経総会長、金栄洙・中企協会長、朴容晟・大韓商議会長、
    孫吉丞・全経連会長)

 財界は23日、政府が原則を無視した対応に終始し、労働界が不法闘争を繰り返すならば、国内投資を減らし、海外に移転する措置を講じると警告した。全国経済人連合会、韓国経営者総協会など経済5団体の会長と副会長は、ソウル市内のホテルで緊急会合を開き、「労働界は国家混乱と経済破綻を招くゼネストを即刻中止せよ」と訴える声明を発表、政府の対応を厳しく非難した。

 経済5団体は、声明文で、「2大労総が金融労組、金属労組など傘下の主要組識を総動員して、ゼネストを起こしたため、社会的混乱を招いている」と非難、「闘争一辺倒の労働界のストライキは、まさに国を滅ぼす行為である」と一喝した。

 また政府に対しても、「押せば通る」「要求すれば受け入れられる」という力の論理が社会に蔓延すれば、景気の沈滞を招くことはもちろん、国家の統制機能を失い、国民所得2ドルの達成はおぼつかないとし、法と原則を守る強力な意思を行動で示すべきだと要求した。

 さらに経済団体は、「不法なストが収拾されれば、財界は経営革新と積極的な投資を通じて企業の競争力を高め、労働者の生活の質の向上と経済難の克服に最善を尽くす」と約束した。

 趙南弘・韓国経営者総協会副会長は、政府と労働界がこのような財界の要求を受け入れない場合は、「企業は対応する手段がないのだから、自衛策として投資を減らし、雇用調整と事業を縮小せざるをえない。生産設備も海外に移転するしかない」と声を荒げた。

 玄明官・全経連副会長も、「このような状況が続くなら、企業は競争の原理に従って、国内なり国外なり競争力を確保できるところに行く」と述べ、不法行為に対しては、告発や損害賠償を請求するなど、法と原則に基づいて処理すべきだと強調した。

 趙副会長は、朝興銀行のストライキと関連して、「合意内容に民事・刑事上の控訴・告発を取り下げ、労組幹部に対する法的処罰を最低限にとどめようとしたことは、政府の大きなミスとしか思えない」と指摘し、政府にこういった悪弊が慣例化しないよう要求した。