ここから本文です

2003/06/06

<韓国経済>環境親和型企業に変身 現代・起亜自動車

  • keizai_030606.jpg

    現代・起亜自動車は国内で初めて「グローバル環境経営」を宣言した(蔚山工場)

 現代・起亜自動車が、国内メーカーとしては初めて、グローバル経営を宣言した。現代・起亜は2010年までに1兆3000億ウオンを環境分野に投資し、自動車の生産のみならず、環境分野でも世界5指入りをめざす。同社は、環境が世界の自動車業界のキーワードになると判断、環境関連の研究所設立や部品リサイクルなど、環境親和型企業への転身を図る方針だ。

 現代・起亜自動車の鄭夢九会長ら最高経営陣はこのほど、ソウル市良才洞の本社で「ECO・GT5・2010」を開催、経営の重点を環境におくとするグローバル環境経営を宣言した。

 現代・起亜は、今年(1500億ウオン投資)から2010年までに総額1兆3000億ウオンを環境分野に投資する計画で、その一環として、今月中に京畿道・華城郡の南陽研究所に「環境技術研究所」を設立する。

 グローバル環境経営の3大課題として、環境親和型製品の開発に対応できるシステムの構築、環境規制への対応、汚染物質の排出を減らす装置の開発に力を注ぐ。このため、現代自動車の蔚山、牙山工場と起亜自動車の所下里・華城工場など生産部門に集中投資する構えだ。

 また、次世代の環境車両ハイブリッドカーと燃料電池カーの開発を推進し、部品や素材のリサイクル事業も強化していく。次世代環境車両の開発と廃車解体技術、廃材リサイクル、環境設計などは、新設の環境技術研究所が統括することになる。

 鄭会長は、「超一流の環境企業に変身し、社会的責任を遂行し、ブランド価値の向上、ユーザーの信頼性確保、環境親和型製品の開発などを通じ、世界5大メーカー入りを果たす」と意気込みを語った。

 一方、鄭会長は、先月パリで開かれた国連環境会議(UNEP)の「自動車フォーラム」に出席し、GM、フォード、ホンダ、トヨタなど世界のトップメーカーと環境対策について協議するなど、環境問題に積極的にかかわっている。