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2003/05/23

<韓国経済>売却作業がほぼ完了

 通貨危機直後に不渡りを出し、法定管理(会社更生法)が適用されていたニューコアと起亜特殊鋼の売却作業が事実上完了した。ニューコアはファッション専門ディスカウント店を運営するユレスとメリッツ証券のユレス・コンソーシアム、起亜特殊鋼はゴールドマンサックスと米の大手鉄鋼メーカー、ISGのコンソーシアムが優先交渉相手に選定され、本格的な売却条件の詰めに入る。

 ニューコアはこのほど、ソウル地方裁判所がユレス・コンソーシアムを優先交渉相手に選定したことを明らかにした。ユレスは買収額として6050億ウオンを提示したという。これはイーランド系列の2001アウトレットコンソーシアムが示した5820億ウオンより230億ウオン多い。

 ニューコアとユレスは、今月28日にもMOE(了解覚書)を交換し、7月にも本契約を結ぶ予定だ。

 ユレスはファッション専門のディスカウント店セーブゾーンを運営しており、ニューコアの買収によって、現在の7店舗が32店舗に拡大、大型流通会社に浮上する。

 ユレスは、ニューコア25店舗(百貨店10店舗、ディスカウント店15店舗)のうち、江南店、坪村店など優秀店舗は、今後設立される構造調整不動産投資会社を通じて買収、残りの店舗は第3者配当の有償増資を通じて買収する計画だ。

 一方、起亜特殊鋼の交渉相手に決まったゴールドマンサックスとISGのコンソーシアムは、買収基準価格4200億ウオン(増減調整3%)を提示。ゴールドマンサックスが3600億ウオン、コンソーシアムに参加しているM&A会社インターバインが600億ウオンを投資する予定だ。ISGは起亜特殊鋼の経営を引き受ける。

 ゴールドマンサックスは4300億ウオンのうち、2200億ウオン程度を資本金とし、残りは起亜特殊鋼の負債返済に充てる。