SKグローバルの経営危機に対応して設置された「SKグローバル正常化推進本部」の鄭萬源本部長はこのほど、系列社への悪影響を最小限に食い止めるため、グループ次元でグローバルの正常化を推進していく意向を明らかにした。これに対し債権団は、「正常化支援策が明らかにされていない」と、不満を示している。
ソウル市内のSKビルディングで記者会見した鄭本部長は、「これまで系列各社は、株主の利益を半減させるような支援はしないという態度をとってきたが、今後はグループを挙げて株主の利益になるような支援をしていく」と述べた。
さらに、SK(株)の石油製品の流通とSKテレコムの通信マーケティングを担当しているグローバルが倒れれば、2社は膨大な損失を被り、企業の存続にかかわる問題に発展しかねないと指摘し、可能な範囲でグローバルの正常化を支援していくことは、株主の利益にもつながると強調した。
また鄭本部長は、「5月中旬に発表される三一会計法人の調査結果をみたうけで、債権団と協議してグローバルの構造調整案を作成したい」と述べ、調査が進行中で、海外債務も確定していない現段階では具体的な救済案を出すことは不可能だとし、支援案には言及しなかった。
一方、先月19日にグローバルが提出した再建案の内容は、個別企業の判断であって、グループ次元のものではないとし、グローバルが運営するガソリンスタンドをSK(株)が引き受けるという話を否定した。これによって、最グローバルが提示した再建案はかなり変更されるもようだ。
鄭本部長の会見について債権団は、SKがグローバル支援の意思を公の場で明らかにしたことは歓迎するとしながらも、具体的な支援策が提示されない以上、グローバルの再生は不透明だと厳しい見方をしている。