ホンダが韓国での4輪車販売事業に参入することになった。ホンダの韓国法人であるホンダ・コリアは25日、正式に発足式を持ち、年内に販売を開始する。現在、韓国で4輪車を販売している日本メーカーはトヨタ1社。ホンダの進出は、トヨタの1強時代に終わりを告げ、韓国の輸入車・国産車業界に地殻変動をもたらすものとして、注目される。
ホンダは、昨年上半期には95%出資の韓国法人、ホンダ・モーターサイクル・コリアを設立して、125CC以上の大型オートバイの販売を手掛けてきた。同時に、国内メーカーとディーラー選定の交渉を展開する一方、市場調査に着手するなど、2輪車に続き4輪車での韓国市場進出を準備してきた。
今月14日にはホンダ・モーターサイクル・コリアの社名をホンダ・コリア(鄭祐泳社長)に変更。人員を増強し、より多くのディーラーを確保して韓国での4輪車販売に乗り出すことになった。25日にソウル・ハイアットホテルでホンダ・コリアの正式な出帆式を行い、今後の方針についてアナウンスメントが行われる予定だ。
投入される車種は、韓国内で認知度が高いアコードが有力視されている。またレジャー用のRV(レクレーショナル・ビークル)車、ミニバン級のオデッセイなどの追加投入も検討されているといわれている。
イラク戦争、北核問題など、韓国市場の今後の動向に不安定な要素もあるなか、ホンダが韓国進出を進める背景には、韓国輸入車市場の急速な成長がある。
昨年、韓国で販売された輸入自動車は1万6119台で、前年の7747台から2倍以上の伸びを示した。その63・2%をヨーロッパ車が占め、ブランド別ではBMWが5101台を販売して第1位。日本車では、トヨタのレクサス・ブランドが2968台を販売し、シェア18・4%を占めている。
ホンダ・コリア関係者は「積極的なマーケティング戦略で、後発のハンディを早い時期に克服したい」とし、韓国での今後の販売展開に強い意欲をみせた。