LGフィリップLCDが次世代LCD事業の拠点として京畿道・坡州を選定、100億ドルを投資して世界最大規模のTFT-LCD(薄膜トランジスタ駆動液晶表示装置)の最先端工場を建設する。LGフィリップスは、工場用地の造成が完了する2005年に工場を着工、世界のLCD市場制覇めざし2006年から量産に入る。
坡州工場の建設を受けて、孫鶴圭・京畿道知事と具本俊・LGフィリップスLCD社長は4日、ソウル市内のホテルで投資に関する調印式を行った。京畿道はLCD工場の建設を支援するため、2004年までに坡州市月籠面徳穏里一帯の工場用地165万平方メートルの造成を行う。
LGフィリップスは第一段階として30億-40億ドルを投資し、1ラインを建設、段階的にラインの増設を推進していく考えだ。新工場が稼働すると、年間売上高は20兆ウオンを超え、京畿道の経済活性化に大きく寄与する。
LGフィリップスが坡州をLCD拠点に定めたのは、仁川国際空港と港湾に近く、西海岸および循環高速道路など交通アクセスに適しているためだ。また、今後、南北鉄道とシベリア横断鉄道(TSR)、中国横断鉄道(TCR)などアジア横断鉄道(TAR)との連結が計画されており、物流環境が良好なことも決め手になったもようだ。さらに政府が京畿道西北地域を経済戦略地域に指定し、開発を推進していることも有利と判断したようだ。
LGフィリップスは昨年、慶尚北道・亀尾工場に1兆6000億ウオンを投資し、世界で初めてガラス基板が1000×1200㍉の第5世代のLCD量産ラインを稼働。サムスン電子を抜いて大型LCD部門で世界1位のシェアを確保した。現在の生産規模は月産6万枚だが、1兆4000億ウオンを投資して設備を拡張し、年内に生産能力を月12万枚に引き上げる。
また、亀尾工場には2005年の稼働をめどに第6・第7世代ラインを建設する予定だ。