懇談会の席上、田副総理は、弾力的な財政運営を通じて内需を適正水準に維持する、と報告した。今年上期の財政支出比率は51・6%で、昨年の47・2%、2001年の41・5%より引き上げられている。
また田副総理は、今年上期は消費が停滞し景気の鈍化が避けられないが、下期は回復し年5%台の安定した成長を達成できるとの見通しを明らかにした。
これに対して盧次期大統領は、「内需を活性化させるために消費拡大策を実施すれば家計不良と不動産バブルなどの副作用を招く」と指摘し、適切な財政運用に努力してほしいと要請した。また、堅実な経済発展を通じて潜在成長率を7%に引き上げることが必要だと述べた。
朴・韓銀総裁は、「当分は低金利政策を根幹にした金融緩和基調を維持する」と報告した。また国内外の経済環境が予想以上に悪化した場合には、物価安定基調をそこなわない範囲で迅速に対応していく方針であると述べた。またコール金利(4・25%)が先進国に比べて高く、金利引き下げを実施すると示唆した。
李・金融監督委員長は、問題となっている個人信用不良者の急増について、「急激な消費の減退で内需が冷却しないよう個人ローンの焦げ付き問題の解決を図りたい」と述べた。
李委員長は、これと関連し、信用不良者の増加を防ぐため、一般銀行のほかセマウル金庫、農協などの金融機関に対する監督を強化するとともに、個人ワークアウト(負債調整作業)制度を導入し、債務返済期間の延長(現行5年)やスライド式返済(最初は少なく、徐々に増額)を実施する方針を示した。行政首都の移転先として候補に挙がっている忠清道の投機抑制案も話し合われた。盧次期大統領は、「不動産投機によって土地が上がれば、首都機能移転に伴う費用がかさみ、国民の税金の損失につながる」とし、行政首都候補地に対する投機防止策を講じるよう要請した。
これに対して田副総理は、「忠清地域で不動産の投機過熱現象が再び起これば、土地取引許可区域・投機地域に指定する」と報告。また不動産が投機対象にならないよう短期的に課税を強化するなどの対策を講じると表明した。