金融研究院は、「新政府の金融政策課題」と題した内部報告書をまとめ、大統領引き継ぎ委員会に提出した。そのなかで、金融研究院は、3大取引所(証券取引所、コスダック、先物)の統合や郵便局の金融部門の民営化などを提言している。引き継ぎ委員会は、この報告書をもとに金融政策の方向性を決定するが、関係機関からの反発も予想される。
同報告書は、金融監督機関の改編と関連し、肥大しつつある金融監督委員会の事務局を廃止し、金融監督院に吸収させ、純粋な民間組織として運営するよう提言。官僚化を防ぐためにチーム長クラス以上は外部から登用することを義務付け、金融監督委員は非常任委員の数を大幅に増やし、合意制に基づく運営を強化、委員長と副委員長の影響力を縮小させるとしている。
また、先物市場をめぐって摩擦が生じている証券取引所を一つに統合し、総合証券取引所を設立、取引の効率化を図り、証券取引法と先物取引法を統合して証券先物取引法に一元化する案も提示した。
さらに、国家が特権的地位を利用して民間より有利な競争力を維持していると指摘されている郵便局の金融業務についても、民営化するのが望ましいと指摘。ただし短期間での移行が困難な場合には公社化を図り、徐々に民営化させるとしている。
このほか、十数年にわたって引き延ばされてきた生命保険会社の上場について、新政府の政策課題として挙げ、一定の条件を備えた生命保険の上場を義務づける法律を定めることを提言している。またバンクアシュランス(銀行と保険の兼業)の導入については、現在の論議が国内保険会社の保護に焦点が当てられ、一般加入者の利益がおろそかになっていると指摘、銀行だけでなく証券、投信、相互貯蓄銀行といったすべての金融機関に保険業務を開放すべきだと主張している。