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2004/12/17

<韓国経済>携帯インターネット・世界に先駆け開発に成功

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    走行中のバスの中で携帯インターネットの実験画面を見る陳大済・情報通信部長官

 走るクルマの中から無線でインターネットに接続、リアルタイムの放送を視聴できる携帯インターネット(ワイブロ)が国内で開発され、世界で初めて通信実験が行われた。ワイブロは、米電気電子技術者協会(IEEE)の標準技術を採用し、韓国電子通信研究院とサムスン電子が共同で開発した。これによって韓国は、次世代移動体通信分野で世界を一歩リードした。
  
 韓国電子通信研究院は13日、大田本院で陳大済・情報通信部長官、李基泰・サムスン電子社長、金信培・SKテレコム社長らが出席するなか、ワイブロの通信実験を行った。実験では電子通信研究院が開発したワイブロ基地局設備と端末機を利用し、双方向のインターネットに接続、映画を鑑賞したり、走行するバスの中でリアルタイム放送を視聴した。

 電子通信研究院とサムスンは、総額390億ウオンを投資し、昨年1月からワイブロ関連装置の開発を進めてきたが、わずか2年で実用化にこぎつけた。これによって、ワイブロサービス事業の技術的基盤が整い、2006年上期中にも商用化できる見通しとなった。情報通信部の担当者は、「第4世代移動体通信市場を先取りし、これまでのようにロイヤルティーを支払わずに製品を生産、輸出することができるようになる」と期待を膨らませている。

 現在、電子通信研究院が80人、サムスンが350人を開発に投入し、商用化に拍車をかけている。モデムを2005年末までに現在のカバンサイズからクレジットカード程度に小型化し、通信速度を50メガbps級に向上させる計画だ。

 今回のワイブロ実験の成功によって、韓国は、次世代移動体通信分野で先進国と戦える技術力を確保したことになる。特に情報通信部が「IT839戦略」として推進中の次世代移動体通信機器の開発とワイブロサービス事業に弾みがつき、同分野で韓国が世界をリードし、韓国の技術が国際標準化に採択される道が開かれた。情報通信部は、ワイブロ技術の開発で2006年から2010年までに6兆ウオンの生産誘発効果が生まれると試算している。