李憲宰・副総理兼財政経済部長官が、「兆単位のプロジェクトを推進して来年の5%成長を可能にしたい」と発言したことから、政府と与党が準備中の「韓国版ニューディール政策」に関心が高まっている。政府は、来年の経済運用計画で、景気活性化に向け米国で大恐慌時代の1930年代にとられた「ニューディール政策」のような国家再生プロジェクトを推進する考えで、具体的な青写真の作成を急いでいる。
これと関連して財政経済部は、ホームページを通じて、「汎国家的に推進される『経済活力回復プロジェクト』に名前を付けて」と、政策名の公募を開始した。しかし、新たな投資と消費を刺激して経済に活力を呼び込む国家的プロジェクトを推進することは確定したが、具体策は何も決まっていない。
財政経済部によると、現在、計画の樹立段階にあり、11月末に経済運用計画と共に具体的なプロジェクトを発表するという。
実際にどのような事業が推進されるのか不透明だが、建設景気回復のためのインフラ投資や、政府が表明している大型国家事業がここに含まれるもようだ。財経部は、建設と設備投資を拡大し、消費を促進するようなプロジェクトになるだろうと語っている。
外資を導入して推進する永宗島開発事業、財界が推進中の複合サービス団地、政府の産業クラスターおよび行政タウン型ミニ新都市、新行政首都などの大規模開発事業も「韓国版ニューディール政策」として推進されるとみられる。年金基金を活用したインフラ開発、住宅公社と土地公社による宅地開発や新都市造成事業も有力プロジェクトになる見通しだ。
LG経済研究院の試算によると、1兆ウオンの財政支出で経済成長率が0・1%上昇する効果があり、来年の経済成長率を5%以上に引き上げるには10兆ウオンの財源が必要になる。しかし、政府の財源でまかなえるのは4兆5000億ウオン程度で、5兆¥ウオン¥以上を民間から調達しなければならない。
李副総理は、GDPを1%引き上げる構想を明らかにしているが、これに必要な財源は最低でも7-8兆ウオン必要だ。いずれにせよ、「韓国版ニューディール」はいかにして財源を確保するかが課題となりそうだ。