姜哲圭・公正取引委員会委員長が李健熙・サムスングループ会長と会談し、企業の競争を阻害するような規制を改善する考えがあると表明、現行では禁止されている営利法人の学校や病院の経営を可能にしたいと述べた。関連規制が解除されると、病院や学校も株式の発行などを通じて金融市場から直接資金を調達できるようになり、経済・社会の活性化につながると期待されている。
現在、営利法人は病院や学校を設立することができない。このため、医療設備などを購入しなければならない病院や、教育施設の拡充が不可欠な学校にとっては、資金集めが大きなネックになっている。
営利法人による病院や学校の設立が認められると、資金調達が容易になり、設備投資や優秀な人材の確保が円滑に進むというメリットがある。営利法人の病院や学校の経営が可能になるということは、株式会社と同じ概念が適用されることを意味し、利益が発生すれば配当も可能になる。
さらに公正取引委員会は、現在、薬剤師のみに開業を許可している薬局の設立に関しても規制緩和を進める方針だ。
これに対して財政経済部は、「具体的に決まったわけではない」としながらも、関係部署間で調整し、規制緩和に前向きに取り組むと明らかにしている。
サービス分野の規制については、財政経済部、非サービス分野は公正取引委員会が主導して緩和を推進しており、今月末までに関係部署間の実務協議を終え、経済長官懇談会などを通じて最終決定する予定だ。
姜委員長が学校・病院の設立規制を緩和すると表明したことに、李サムスン会長は、歓迎する意向を示した。サムスンは、全額出資の形態で、サムスン医療院などを運営しているが、医療事業の特性上、設備などに多額の資金が必要で、営利法人の経営が認められれば、市場からの資金調達に道が開ける。
また、会談で姜委員長は、李会長に財閥系金融会社の議決権縮小と出資総額制限制度の維持などを骨子とする公正取引法の改正案を説明した。李会長は、「市場改革ロードマップが国民所得2万㌦達成と新産業育成など韓国経済の成長の助けになることを期待する」と語り、今後もグローバルスタンダードに沿った企業経営の透明性と公正性確保に努力すると伝えた。