内需沈滞が長期化するなか、不動産賃貸業と予備校・塾などの景気も最悪の事態に陥っている。特別消費税引き下げにもかかわらず、自動車の販売は10カ月連続でダウンし、宿泊・飲食業(3・2%減)、娯楽・文化サービス(5・4%減)なども大幅に落ち込んだ。経済専門家らは長引く不況のトンネルを抜けるには、もはや一時的な対策では効果がないと指摘、企業の投資・雇用を増やし、消費を伸ばすための抜本的な政策が必要だと強調している。
統計庁が7日発表した4月のサービス業動向によると、不動産賃貸業は前年同月に比べて売上実績が10・2%ダウンし、予備校や塾なども11・0%の減収となった。不動産賃貸業と学習塾は、不況下でも昨年末までは好況を享受していたが、2000年のサービス業統計開始以来、最悪の低迷状態を迎えている。不動産は政府の強力な投機抑制政策で不動産仲介業、賃貸業が失速を余儀なくされた。
内需景気の尺度である小売業は販売が2・0%減り、昨年2月以降15カ月連続でマイナス成長となった。信用不良者が400万人に近づき、金融業も4月は経常収益が5・5%減り、12カ月連続で落ち込んだ。
娯楽、文化、スポーツ関連業種も不振で、映画産業が23・4%の伸びて唯一プラス成長となった以外は、娯楽・スポーツ14・8%減、公演6・2%減と、全体では5・4%の落ち込みとなった。
この統計結果について、経済専門家らは、租税減免といった一時的な対策ではサービス業の景気回復にはつながらないと口をそろえる。
サムスン経済研究所は、「好調な輸出で稼いだドルが投資と消費に結び付くよう、家計と企業などの不確実性を解消する政策が必要だ」と指摘する。
政府は年初に財政経済部、産業資源部、文化観光部、保健福祉部など13部署でタスクフォースを構成し、24のサービス分野を対象に活性化対策に着手した。しかし、89分野におよぶサービス業の規制改革案は、部署ごとの利害が絡んで、一向に進展していない。政府は、今月末までに具体策を発表する予定だが、どれだけの対策が講じられるのか不透明な状況だ。