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2004/04/30

<韓国経済>国内資金が海外に流出

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    10%を超えていた金利が通貨危機以後急激に低下し、投資先を求めて国内資金が海外へ流出している

 国内の資金が急速に海外に流出している。これは国内での超低金利状態が続き、高収益を求めて海外に投資する人が増えているためだ。また相続・譲与税の「包括主義」導入と貧富の格差是正など社会改革によって、今後、分配構造に変化が起きると憂慮する富裕層が海外に資金を移す動きも活発化している。

 国内の資金が海外に流出している一番の原因は超低金利状態が続いているためだ。通貨危機以前は、10%を超える高金利状態で、米国、日本、英国など世界各国に比べて金利が極めて高かった。

 しかし、通貨危機以後の金融改革と資本市場の開放で低金利時代が到来し、状況は一変した。実際、1年満期の定期預金金利は4%にすぎず、年間の物価上昇率が3%に達するると実質金利は1%になってしまう。1億ウオンを銀行に預けても、1年に100万ウオン程度の利子しかつかない。

 韓国銀行が10年満期の国債と消費者物価上昇率を考慮し、各国の実質金利を計算したところ、韓国は最低水準だった。国債の名目金利は5・3%で、他の国に比べてかなり高い。しかし、物価上昇率が3・1%で、米国、日本、フランス、英国に比べて圧倒的に高い。これによって韓国の実質金利は2・2%にとどまり、日本(1・5%)に次いで低かった。

 低金利傾向が続いたため、2000年以後に不動産市場に資金が集まったが、昨年末から不動産に対する税制が強化され、不動産も有望な投資先とはいかなくなった。

 国内金融機関の商品開発能力が落ちることも海外へ資金が流れる要因となっている。実際、国内の銀行や証券会社は、自社商品の開発よりも海外投資ファンドの販売で手数料を稼ぐことに力を入れており、資金の海外流出を助ける結果となっている。

 外国為替取引法では、海外に2年以上滞在する場合に、30万㌦以内の住居費の持ち出しを認めている。また、海外に病院、学校、宗教法人を設立する場合にも、必要な不動産の取得費を認めている。こういった資金を海外に持ち出す際には、韓国銀行に申告し、「不動産取得申告受理書」の発給を受けなければならない。しかし、今年に入り個人が韓国銀行に海外不動産の取得を申告した例は一件もない。

 一部の銀行では、海外不動産に安定的に投資するためのコンサルティングを実施している。海外不動産の投資ラッシュで、米ロサンゼルスの韓国系銀行10余行の預金高が急増しているという。