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2004/04/16

<韓国経済>航空、石化産業の打撃必至

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    原油の急騰は化学石油などの関連業界に大きな打撃を与えると懸念されている

 中東産ドバイ原油の価格が3年5カ月ぶりに1バレル=32㌦を超えるなど、国際原油価格の高騰が長期化している。これによって、航空・運輸などのエネルギー産業は大きな打撃を受け、採算の悪化が避けられない見通しだ。この非常事態に対処するため、政府は、物価管理政策に重点を置く方針だ。

 韓国石油公社によると、12日の中東産ドバイ原油の取引価格は1バレル=32・09㌦に達し、2000年11月13日の同32・95㌦以来、32㌦を突破した。これは、今月中旬から原油価格が下落に転じるとしていた政府の予想をくつがえすものだ。

 先月末の石油輸出国機構(OPEC)の減産決定以後、特別な動きのなかった原油価格が、最近再び上昇に転じたのは、イラクの武装集団による外国人誘拐、人質事件が相次ぎ、イラク情勢が悪化しているためとみられる。

 国際エネルギー機構(IEA)が9日、中国の消費急増で今年の世界の石油消費量が昨年よりも1日平均170バレル増えると発表して以来、需給不安が募り、危機感が高まっていることも原油急騰を煽った。

 韓国石油公社の海外調査チームは、「この勢いなら、ドバイ原油基準で1バレルあたり26-28㌦で安定するとみられていた原油価格が、第2四半期(4-6月)は35㌦まで上がる可能性が高い」と分析している。

 韓国貿易協会・貿易研究所の「原油価格上昇の影響」と題した報告書によると、原油価格が5㌦上がると、貿易収支黒字が54億6000万㌦減る。また原油価格が5㌦上昇すると、生産原価が先進国で0・2%高まるのに対し、韓国は1・23%も負担が重くなる。

 米国の金融・ビジネス情報プロバイダー、ブルームバーグは、「サウジアラビアの石油が韓国、日本などアジア地域に安定して供給されるのは難しい」と警告した。

 サウジアラビアは先週、「アジアに対して安定した原油の供給を約束する」という声明を出したが、高失業などの不安を抱え、この約束は「保証の限りではない」とブルームバーグは指摘している。

 こういった緊急事態に対応するため、政府は、エネルギー過剰消費産業の点検と省エネ対策を進め、物価管理に全力をあげる構えだ。