米シティグループが、単独では史上最大規模の外国人投資となる3兆ウオン以上を投入して韓美銀行を買収する。シティは23日、ソウルの新羅ホテルで韓美銀行と共同記者会見を開き、カーライル・JPモルガンコンソーシアムが保有する韓美銀行株36・55%を1株あたり1万5500ウオンで買収する契約を結んだと発表した。シティは残りの株式も公開買収を通じて80%以上を取得する計画で、韓美銀行の買収に総額3兆1800億ウオン(27億3000万㌦)をつぎ込むと明らかにした。
締結された買収契約には、前提条件として、公開買収を通じてシティが韓美銀行の株式を80%以上確保するとうたってある。もし80%以上の買収に失敗した場合、大株主のカーライルとの契約も水の泡になる。
シティグループのスティーブ・ロン・アジア太平洋担当は、「公開買収を通じて80%以上の株式を確保する自信がある」と述べている。
しかし、80%の買収に失敗し、契約が反故になる可能性もないわけではない。まず大株主(9・26%)で、最終段階まで買収競争を展開してきたスタンダード・チャータード銀行の動きが気になる。「1億㌦程度の投資差益をあげているだけにおとなしく引き下がるだろう」という見方が支配的だが、株売却をしぶる可能性もある。
現在の株価水準と比べると、シティが提示している公開買収価格は低いため、国内の少数株主が公開買収に応じないという懸念もある。
シティは、「韓美銀行の買収は、日本を除くアジア・太平洋地域で最大規模の投資だ。韓国を米国以外の地域で最大の組識に育成したい」と明らかにしており、今後、リテール金融に力を注いでいく方針だ。
一方、関係者によると、買収後の構造調整は行わない意向で、両者が契約書で「整理解雇はしない」ことに合意したといわれている。しかし、韓美銀行の労組は、「雇用不安だけを引き起こす経営権の売却には同意できない」とし、公開買収の妨害などシティグループの韓美銀行買収に対する反対闘争を繰り広げると宣言、完全買収には紆余曲折も予想される。