政府は、「新産業発展ビジョン」を示し、半導体、バイオ、デジタル家電、航空、電子、医療機器など先端製造業の競争力を世界最高水準に高め、4%台にとどまっている潜在成長率を1ポイントアップの5%台に引き上げることを明らかにした。これによって、2015年には国内総生産(GDP)世界10位、1人当たりGDP3万5000㌦、雇用創出2660万人をめざす。
政府は、李海瓉・国務総理らが出席して「産業革新フォーラム2005」を開催、その中で「新産業発展ビジョン」を提示した。ビジョンは、世界的な分業体制の流れを考慮し、4大産業別に差別化した発展戦略を立てているのが特徴で、世界の分業構造の中で韓国が補完的役割を果たすことに重点を置く。
内容をみると、現在の産業構造をバイオ、半導体などの先端製造業と新技術融合産業、自動車、造船などの主力製造業、環境、物流などのインフラサービス業、教育、医療などのソフトサービス業の4つに分類し、発展戦略を提示している。
先端製造業分野では、先進国と途上国市場の特定領域の開拓を進め、主力製造業では先進国市場でのサービスおよびブランド差別化と途上国の中間技術市場の攻略に力を注ぐ。ソフトサービス分野では、アジア地域を集中的に攻略するため、マーケティングの強化と信頼される国家ブランドイメージの確立に集中する。
政府は、このようなビジョンを達成するためには、先進技術をキャッチアップして競争力を確保してきた従来のような経営戦略から脱し、新市場を先取りする創造者(ルール・クリエーター)に変身しなければならないと強調している。
一方、ビジョン達成のため、政府は企業の創造的な革新活動を支援する法案を整備する方針だ。このため、法令、制度、慣行、政策などを革新的な企業活動に合うように柔軟に変えていく。
政府はまた、労使協力の拡散と労働市場の柔軟性を高めることに重点を置き、グローバルな経営環境の変化に伴う企業のリスクを減らすため、通商摩擦解消、安定したエネルギー供給の拡充などに政策の焦点を合わせる方針を明らかにした。