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2005/11/11

<韓国経済>世界的衣類ブランド育成へ

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    人件費の高騰から海外への生産移転が急速に進んでいる

 政府は、中国と東南アジアの台頭で低迷している繊維・衣類産業を2015年までに高付加価値産業に転換、国際競争力を確保し、韓国の繊維産業を世界的なファッション・衣類ブランドに育成していく計画だ。産業資源部とコンサルティング会社ATカーニーは、このような内容を骨子とする「2015繊維・衣類産業ビジョンおよび発展戦略」を8日、ソウル繊維センターで開催された「第19回繊維の日」記念式で発表した。

 産業資源部は、繊維・衣類産業の設備投資が減り、生産基地が次々と海外に移転している危機的状況を打開するため、繊維の高付加価値化に乗り出す。すでにナノ繊維製造技術やタイヤコードなどの産業用繊維素材は高い国際競争力を確保しているが、これをさらにに強化し、昨年25%のシェアを2015年までに55%に引き上げる計画だ。

 また、アジアで起きている「韓流ブーム」を活用、2015年までに世界的なファッション・衣類ブランドを育成する方針だ。衣類に占めるファッション製品の比率を現在の10%から30%に高め、繊維・衣類産業にIT(情報技術)、NT(ナノ技術)、BT(バイオ技術)などを組み合わせ、デザイン分野での競争力も確保する。

 産資部はこのような戦略を推進し、2015年に繊維で世界シェア4位、衣類でも7位を確保する計画だ。

 繊維産業はかつて韓国経済発展の原動力で、「金の成る木」だった。70年代には輸出全体の約40%を占め、生産と雇用のけん引役を果たしていた。サムスン、SKなどのグループ企業の母体はすべて繊維産業である。

 しかし、80年代以降、人件費の高騰で採算性が悪化し、中国の低価格攻勢で斜陽産業に転落してしまった。繊維産業連合会によると、今年9月までの繊維輸出は前年比7・7%減と不振が続き、全体に占める輸出比率はわずか6%に停滞している。原資材価格の急騰、為替下落などの対外条件が悪化したうえ、今年初めに米国、EUなどの繊維輸入クオータ制が廃止され、中国、インド、ベトナムなどの途上国が台頭してきたことが不振の原因だ。

 このため、繊維の高付加価値化が急務となっており、OEM(相手先ブランドによる生産)から脱皮し、ファッションやデザインを武器にした先進国型の繊維産業への転換が求められていた。