サムスン電子の水原事業所(旧白物家電工場)が、電子部門統括研究・開発(R&D)クラスター(集積団地)に変身する。同社によると、京畿・水原事業所に2008年までに36階建て超高層研究センターなど最先端研究施設6棟を新築する計画だ。これによって、水原事業所は完全なR&D団地に生まれ変わる。
サムスン電子の関係者によると、今年9月に完成したデジタルメディアセンターのほかに、2008年までに水原事業所をR&Dクラスターにするため、従来の洗濯機工場跡地と本館跡地に通信研究所など36階建ての先端ビル2棟を追加で建設することを決めた。また、年末からは、本館横の駐車場敷地に18階建てマーケティングリーダーシップセンター3棟と7階建て専用広報館を新設する。
これによって、1970年に白黒テレビの生産を開始し、サムスン電子の家電生産基地の役割を担ってきた水原事業所は、8棟の高層ビルが林立するR&Dの牙城となる。8棟の総延床面積は約110万8800平方㍍で、汝矣島(約287万平方㍍)の半分におよぶ。水原事業所のR&D団地転換は、ソウル本社と器興半導体工場、牙山・湯井LCD(液晶表示装置)工場との連携を強化し、先端製品の開発に拍車をかけるのがねらいだ。
サムスン電子は、2001年から生産拠点の京畿道水原事業所のR&D集積団地化を推進してきた。このため1997年から水原事業所の白物家電ラインを全羅南道光州と海外に移転した。現在、水原事業所はデジタルテレビラインを除き、すべての従業員が研究開発に携わっている。しかし、建物が狭く、老朽化しているため、新たに研究施設を設立し、全国に分散している研究者を1カ所に集めることで、研究開発の効率化を図る。
すでに水原事業所には2001年に新築された27階建て情報通信研究所と今年9月に完成したデジタルメディアセンター(36階)の2棟が並び、年末から36階建て2棟、18階建て3棟、7階建て1棟が着工され、これが完成すれば研究施設は全部で8棟に増えることになる。
現在、水原には1万2000人の研究開発スタッフが投入されているが、8棟が出そろえば3万人規模に拡大する。