福祉予算50兆ウォン時代を迎えているが、国民が感じる福祉の体感度はむしろ下がっていることが明らかになった。低所得者層の実質所得は2003年以降減少しており、電気や水道が止められた世帯が増加するなど、基礎生活要件が悪化している。
企画予算処と保健福祉部によると、来年度の福祉予算は今年に比べ10・8%増の54兆7000億ウォンとなり、史上初の50兆ウォンを突破する。
部門別では基礎生活保障(生活保護)に5兆4000億ウォンが割り当てられる。これは前年比22・2%増で、雇用支援(同72%)、育児支援(同52・3%)などの予算も大幅に増額される。
基礎生活保障と雇用支援の予算は、金大中政権当時から毎年大幅に増え続けているが、福祉予算の恩恵を被っているはずの低所得者層の生活は改善していないのが実情だという。
統計庁によると、都市勤労者のうち下位20%の実質可処分所得は2003年の2・1%減に続き2004年も2・2%減となり、今年第1四半期(1-3月)と第2四半期(4-6月)も0・3%ずつ減少した。
実質可処分所得は、物価を考慮した実質所得から非消費支出を差し引いたもので、低所得者層の生活がさらに苦しくなっていることを示している。この間、都市勤労者全体の実質可処分所得は毎年1%前後の低い伸びにとどまり、経済的ゆとりがなくなっている。
庶民の生活水準のバロメーターとなる公共料金の延滞も増える傾向にある。公共賃貸住宅の賃貸料支払い延滞は3月末現在で1兆7390億ウォンに達し、昨年末に比べ20・7%、都市ガス料金は1980億ウォン(6月末現在)で71・7%、上水道料金は432億ウォン(同)で4・6%増加した。
使用料を払えず電気が止められた世帯は5月末現在で4827世帯と昨年末(1091世帯)の4倍以上、水道が止められた世帯も6月末現在で1万1829世帯に達している。
自動車の自賠責保険に加入していない車両は、3月末現在で全体の5・3%にあたる79万3000台にのぼり、1年前(74万3000台、5・1%)と比べ5万台も増えた。
建設交通部によると、自賠責保険の未加入はほとんどが車1台で営業している自営業者で、不景気のため過怠料を免除してほしいという訴えが多いという。