斗山重工業が、世界最高の原子力発電技術を保有する米ウエスティングハウスの買収戦に名乗りを上げた。斗山がウエスティングハウスの買収に成功すれば、原発の源泉技術の確保はもちろん、世界の原発市場でリーディングカンパニーに躍進することになり、結果が注目されている。
斗山重工業はこのほど、ウエスティングハウスの株式の100%を保有する英国系BNFLが実施する公開入札に応札するため、BNFLに買収意向書を提出したと明らかにした。これによって、来月中旬に予定されている予備入札に参加する。この予備入札を通過すれば、12月に実施される本入札に応札する資格が得られる。
今回の入札には斗山のほか、米GE、三菱重工業など世界的企業15-20社が参加するとみられている。売却額は10億-20億㌦と推定される。
斗山がウエスティングハウスの買収に成功すれば、原発の源泉技術を確保でき、中国など海外の原発市場進出に有利になると期待されている。斗山関係者は、「韓国の原発設備製造能力は世界6位だが、原子炉のタービン技術などに弱く、世界と戦えなかった。世界シェア50%に達するウエスティングハウスを買収すれば、原発市場でトップに躍り出ることができる」と話す。
世界の原発市場は2020年まで2ケタ以上の高度成長が続くと予想されている。特に中国は、急速な経済成長に伴う電力不足から、2020年までに40カ所以上の原発建設を進めており、原発需要が高まっている。また、原油価格の高騰と二酸化炭素の排出削減をめざす京都議定書の発効も追い風になりそうだ。一時、原発建設を中断していた米国も最近、原発建設の再開を宣言した。
ウエスティングハウスは、全世界で稼働している443カ所の原発のうち、約200カ所に技術を提供している。国内でも古里原発1-4号機をはじめ、蔚津、霊光など韓国標準型原発に同社の源泉技術が使われており、昨年の売上は16億㌦、営業利益は1億3000万㌦に達する。