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2005/06/17

<韓国経済>外国系新興ファンド・国内証券市場に進出

 キャピタルグループなどの大手に続き、外国系新興ファンドが次々と韓国に進出、国内証券市場が外国系投資家たちの戦場となっている。外国系ファンドの進出は国内証券市場の活発化にもつながるが、一方で経営権に対する不当な干渉になるとの危機意識も高まっている。

 外国系新興ファンドの登場は、国内証券市場にとっては「青信号」と解釈することができる。外国人に韓国証券市場が魅力的な市場として映っているという証拠だからだ。金融監督院関係者は、「外国系投資家たちが韓国市場で、まだ利益を見越せると認識し、投資を増やす傾向にある」と話している。

 実際、先物取引所によれば国内取引市場の株価収益率(PER)は、5月末現在7・9倍で、日本(27倍)、米国(19・1倍)など先進国の株式市場はもちろん、フィリピン(17・9倍)、香港(14・5倍)、台湾(12・4倍)などアジア諸国に比べても低い。総合株価指数は最近1000ポイントに肉薄しているが、相変らず安い株式が多いという話だ。

 今年に入って参入した新興ファンド30社のうち、40%にあたる12社が米国系ファンドである点も同じような脈絡と見られる。しかし外国系大手が増えるにつれ、企業の立場としては経営権干渉に対する心配が大きくなっている。

 ポスコの外国人持ち株比率は、65・92%で最大株主である国民年金管理工団(3・54%)より63・28%も多い。KT&G、現代産業開発、大邱銀行などは50%以上多く、サムスン電子、SK、釜山銀行、大林産業などは40%以上多い。

 日本企業ではゼンテックテクノロジージャパンが、衛星放送のプリセット社の株式の18・85%を保有。また、桂川電機は、図面コピー機・スキャナ専門メーカーのカイシスの株式5・49%を保有している。もちろん金融監督院の公示によれば外国系ファンドは、大部分が「単なる投資」を目的に株を取得している。しかし、大株主の持ち株が低い企業は、経営権への干渉を心配しなくてはいけないというのが専門家たちの意見だ。

 韓国政府は投機性資本による経営権侵害を阻むため、購入株式が5%以上の場合、買い入れ目的を明らかにするよう定めた「5%ルール」を導入しているが、これに対しては外国系ファンドからの批判が起きている。