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2005/02/11

<韓国経済>低迷続く内需に薄日

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    百貨店のバーゲンに群がる消費者たち。サイフのひもがゆるみ、景気回復の兆しがみえてきた

 消費者心理指数が4カ月ぶりに上昇に転じ、7カ月ぶりに最高水準に迫っている。製造業と建設業を対象にした各種景気実査指数が上向いているのに続いて、消費者心理もプラスに転じ、韓国経済は本格的な景気回復軌道に乗りそうだ。

 統計庁が発表した「1月の消費者展望調査」によると、消費者期待指数は90・3を記録した。昨年12月(85・1)よりも大幅に上昇し、昨年6月に92・2を記録して以来、7カ月ぶりに90ラインを回復した。

 消費者期待指数は100を基準に、これを超えると6カ月後の景気や生活状況、消費支出などが現在よりも上向くと見る世帯が悪くなるという世帯より多いことを意味する。依然として100を下回ってはいるものの、下落に歯止めがかかり、上昇に転じたことで、景気の先行きに明るさが戻っている。

 百貨店や大型ディスカウントストアでは、旧正月のための贈答品の販売が昨年に比べ30%以上増加した。今年に入り自動車と家電製品の販売も好調で、カード利用額が増大するなど、消費の回復が顕著になっている。

 ロッテ百貨店では先月25日から今月3日までの10日間、贈答品の売上が17・2%伸びた。カルビと精肉セットの販売は昨年の旧正月よりも4倍以上増加し、3万ウオン台の生活用品セットの売上は62%という高い伸びを記録した。

 農協ハナロクラブも、旧正月の販促期間(15日間)に総額1800億ウオンの売上を見込んでいる。

 カードの利用も好調だ。VISAカードはクレジットの実績が昨年10月以降毎月3000億ウオンずつ増え、昨年12月は4兆8329億ウオン、今年1月は5兆ウオンを超えた。

 内需不振が続いていた現代、起亜、GM大宇、ルノーサムスン、双竜などの自動車メーカー5社の1月の国内販売台数は8万958台で、昨年1月(7万5794台)に比べ6・8%増加した。輸入車の販売も1月は1965台を記録し、前年同月の1614台より21・8%も増えた。

 今年の家電市場を占うエアコンの予約販売は、昨年の実績をはるかに上回っている。LG電子のエアコンの予約販売は昨年の2倍近くに達した。ドラム式洗濯機も売れ行きが好調だ。

 一方、景気回復に対する期待感が高まり、通貨供給量が例年に比べて大幅に増加した。韓国銀行によると、先月24日から今月2日までの7営業日期間中の通貨供給量は2兆5000億ウオンに達し、前年同期の1兆2000億ウオンの2倍以上を記録した。これについては韓銀は、消費が回復したと判断するのは早計だと慎重な姿勢を示している。