政府は中小製造業の人材難を解消するため、今後5年間に工業高校生2万人、大学生1万人の計3万人を対象に技術・技能人材を養成し、中小企業に供給することを決めた。また、10年までに売上高2000億ウオン、輸出1億㌦を超える部品・素材分野の中堅企業300社を育成する。
中小企業特別委員会と産業資源部は、青瓦台(大統領府)で開かれた盧武鉉大統領主宰の中企特委拡大会議で、このような内容を盛り込んだ「中小企業育成12大政策」と「部品・素材産業発展戦略」を発表した。
政府は今後5年間、工業高校の3年生2万人を対象に、卒業後すぐに中小企業に就職する協約を学校、保護者、企業間で締結し、職業訓練を支援することを決めた。これと共に部品・素材分野の技術革新を主導する中堅部品・素材企業300社を集中的に育成する一方、これらの企業に投資する大企業に対しては出資総額制限の対象から除外する。
今回の中小企業対策は、昨年発表した「中小企業の競争力強化対策」と「ベンチャー活性化対策」を補完したものだ。革新主導型企業300社の育成対策を中心に、成長段階別・業種別・企業規模別の支援と規制革新、金融支援システムの構築、技術人材育成などが網羅されている。今回の政策課題で目を引くのは、技術人材の育成と下請け取引の改善だ。
中小企業庁によると、中小企業の人材不足は5万8000人に達し、不足率は6・4%に達する。これを解消するため、政府が準備している対策は5年以内に工業高校生2万人、大学生1万人を中小企業に特化した人材として養成するもので、不足率を3%台に下げる。このため、中小企業への就職を促すために、工業高校3年生に雇用保険基金から職業訓練費を支給するとともに、就職後2年間兵役を延期する。また、中小企業に勤務後に大学進学を希望する者には、中小企業への復帰を条件に入学金の一部を補助する。
しかし、一部では実効性を疑問視する声もある。中小企業関係者は、「中小企業の劣悪な環境と待遇が改善されない限り、学生たちを引きつけるのはむずかしい」と話す。
一方、政府は、最近実施した下請け取引の実態調査を基に、大企業と中小企業間の公正取引を拡大する。まず下請け代金を工事費より低く設定する行為を法的に規制して根絶するとともに、下請け標準契約書の作成を慣例化し、契約の履行を義務付ける。