米国系投資ファンドのローンスターが、1000億ウォンを韓国に寄付する意向を明らかにした。外換銀行の売却で巨額の差益を得たにもかかわらず、ローンスターがスタータワーの売却に際し、追徴課税に応じない姿勢を示したため、世論の非難が集中しており、今回の寄付表明はそれを緩和するのがねらいとみられる。しかし、寄付金が利益の45分の1と余りにも少ないことから、かえって世論の反発が強まっている。
ローンスターのエリス・ショート副会長は今月14日、韓悳洙・副首相兼財政経済部長官宛てに文書を送り、外換銀行の売却差益(4兆5000億ウォン)のうち1000億ウォンを課税問題が決着するまで国内の銀行に預けると表明した。
これに対して権泰信・財政経済部第2次官は、「寄付とは別に課税するかどうかを決定する」と表明。李周成・国税庁長も、国会の財政経済委員会で、「国民の関心が高いため、対象となる部分には、できるだけ課税する」と明らかにしており、最大1兆2000億ウォンの課税を行う考えだ。
ローンスター側は当初、スタータワーの売却差益に対する国税庁の追徴課税(1400億ウォン)について、「根拠がない」とし、国際審判院の判断を仰いだうえなら納付する意向を明らかにしていた。ところが、「4兆ウォンの食い逃げは許せない」と韓国社会に反ローンスター旋風が起きたため、「寄付行為」で事態の収拾を図ろうとしたもようだ。
国税庁は、追徴課税の納付がない場合には、外換銀行株の一部を差し押さえることもありうるとの立場を示しており、これが実施されれば、外換銀行の売却自体が反故になる可能性もある。