韓国が初めてGDP(国内総生産)規模で世界トップ10入りを果たした。昨年の経済成長率は4・0%にとどまったが、ウォン高の影響でGDPの順位が前年の11位からワンランク上昇した。1960年代初めに経済開発に着手して以来、わずか40年余りでのスピード成長は、世界を驚かせている。
国際通貨基金(IMF)がまとめた各国のGDP統計(2005年基準)によると、韓国は7930億㌦で、世界10位につけた。韓国の順位が上がったのは、ウォン高でドル換算額が膨らんだため。2004年に10位だったインドは、7754億㌦で12位に順位を下げた。
GDPランキングは各国の通貨で算出したものをドルベースに換算して比較するため、為替レートの変動が大きな影響をおよぼす。今回の韓国の躍進は、ウォン高が大きく作用した。
国別のGDPは、米国が12兆4857億㌦で1位を維持し、2位が日本(4兆5713億㌦)、3位がドイツ(2兆7973億㌦)となっている。成長著しい中国は、2兆2248億㌦で、前年の7位から4位に大きく躍進した。このため英国(2兆2014億㌦)、フランス(2兆1058億㌦)、イタリア(1兆7661億㌦)が、それぞれ前年よりワンランクずつ順位を下げた。ブラジルも通貨レアル高の影響で7926億㌦に達し、韓国を追い上げている。
政府は当初、GDPトップ10入りを2020年ごろと予想していた。財政経済部によると、今年と来年の成長率が5%前後を維持し、ウォン高が続けば、引き続き韓国はトップ10にとどまると分析している。
経済専門家は、GDPの増大について、最近のウォン高がファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を押し上げた結果だとみており、潜在成長力の拡充を図り、実力で経済規模を拡大する必要があると指摘している。