中国政府が今月22日から、エネルギー消費が大きく、環境汚染の原因となる804品目に対して生産と輸出を禁止する「加工貿易規制措置」を実施する。これに伴って、中国に進出している韓国の製造業や製品の輸入業者は大きな痛手を被るとみられ、対応に追われている。また、外資系企業への特恵廃止や「勤労契約法」の施行で一段と締め付けが厳しくなり、中国進出企業は「極寒の時代」を迎える。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、対中輸出の55・8%、輸入の46・9%が加工品で、今回の規制804品目の対中輸出比率は1・89%、輸入は7・24%を占める。昨年の韓国の中国向け輸出(768億㌦)のうち、加工品は428億㌦で、このうち1・89%に当たる8億㌦が影響を受ける見込みだ。また対中輸入(351億㌦)のうち、加工品は164億㌦で、その7・24%に当たる12億㌦が影響を受ける。これによって、被害額は約20億㌦と推計されている。
特に、打撃の大きいのが中国に進出している零細・中小企業で、青島に工場を構える韓国の非金属加工業者(約800社)の撤退が続出すると憂慮されている。
LG経済研究院によると、中国は2-3年前から外国資本の規制に乗り出しており、今後さらに厳しさを増す見込みだ。中国経済に役立つ外国企業の投資は認めるが、そうでない企業は工場を内陸部に追いやったり、撤退させるという。
ポスコ経営研究所によると、昨年の中国向け外国人投資は603億㌦で、世界で最も多かった。今年6月現在の外国人投資残高は6509億㌦にのぼる。同研究所は、中国の外資規制は、自国の外貨準備高が1兆㌦を突破するなど、外国資本に依存しなくてもよい投資環境が整ったためと分析する。これに伴い、中国政府は今後、外国人投資に対する規制を強化し、これまで付与してきた特恵をなくすとみられる。このため専門家は、中国に進出した韓国企業を「5重苦」が襲うと警告している。
まず、労務管理の強化だ。中国政府は3月に予告した「勤労契約法」を年末から施行する。この法律は、勤労者の権利を保護する内容で、労働契約と団体協約が盛り込まれている。契約不履行の場合は、罰則が与えられ、労組設立の義務化や退職金の支払い義務まで課せられるという。
このほか、租税減免の廃止による課税強化、中国元の切り上げによる輸出の採算性悪化、供給過剰による競争激化、中国の技術力アップによる追撃など、深刻な問題が山積している。