情報通信部が発表した10月のIT(情報技術)輸出は、秋夕(旧盆)の連休による操業日数の減少にもかかわらず、105億㌦を記録し、2カ月連続で100億㌦を突破した。世界市場でのモバイル機器や薄型テレビの需要増大が追い風となり、メモリー半導体や液晶パネルの輸出が堅調に伸び、IT製品が韓国の輸出を支える重要な品目に浮上している。
10月のIT輸出は、クリスマスなど年末の最需要期を控え、半導体や液晶パネルが好調を維持し、前年同月に比べ10・7%増の105億6000万㌦を記録した。1日当たりの輸出額は5億1500万㌦で、過去最高を更新した。
輸入は情報機器を中心に前年同月比4・6%増の51億4000万㌦にとどまり、ITの貿易収支は2カ月連続で50億㌦以上の黒字を計上した。
輸出を品目別にみると、半導体が前年同月比24・4%増の35億2000万㌦に達し、前月の月間最高記録を塗り替えた。これは、情報通信、家電などパソコン以外の需要が拡大し、DRAMの輸出が伸びたため。
携帯電話は、新製品の発売にもかかわらず、国際的なメーカー間の競争激化や海外生産の拡大で前年同月比5・8%減の23億7000万㌦にとどまった。しかし、中国やメキシコ、フィリピン、チリなど新興市場向けの輸出が2ケタの伸びを示し、欧州連合(EU)向けGSM(欧州規格)製品の輸出も今年最高の7億1000万㌦に達したことから、今後の回復が期待される。
液晶パネルは、薄型モニター用や大型テレビ用を中心に前年同月比36・3%の大幅な伸びを示し、16億㌦を記録。デジタルテレビも、メキシコやポーランド、ロシア、スロバキアなどの現地工場向け部品の供給が好調で、2・5%増の6億1000万㌦となった。
輸出先を国別にみると、中国向けが移動体通信端末、半導体、液晶パネルの3品目で2ケタの伸びを示し、過去最高の38億6000万㌦(12・1%増)を記録した。
情報通信部は、クリスマス特需などで、今年のIT輸出は1124億㌦に達すると予測している。