現代自動車グループの宿願だった2大事業が、今月中に本格的にスタートする。一つは起亜自動車の米国工場(ジョージア州)で、今月20日に起工式が行われる。もう一つは現代製鉄の唐津一貫製鉄所で、27日に着工する予定だ。
起亜自動車の米国工場は、当初4月27日に着工する予定だったが、不正資金疑惑による鄭夢九・グループ会長の逮捕で日程が大幅にずれ込んだ。起工式には、鄭会長をはじめ、鄭義宣・起亜自社長らが参加する。
ジョージア工場は投資額が12億㌦で、年産30万台規模。2009年上半期に完成する予定だ。同工場が稼働すると、起亜自の海外生産規模は中国の第1・第2工場、スロバキア工場を合わせて100万台を超えることになる。
一方、現代の30年来の夢だった一貫製鉄所も、今月末に着工の運びとなった。当初は11月に着工する予定だったが、鄭会長が先月、経営復帰後最初に現場を視察し、日程を1カ月繰り上げるよう指示したといわれる。
総投資額5兆ウォンの一貫製鉄所は、現代製鉄の唐津製鉄所に隣接する317万平方㍍の敷地に建設され、粗鋼年産700万㌧規模。2011年に完成する予定だ。
現代の一貫製鉄所事業は、1977年から推進されてきた。過去に94年、96年、97年と3度も建設計画を推進したが、通貨危機などで実現しなかった。鄭会長は、父親の故鄭周永・現代名誉会長の意志を継ぎ、2004年10月に一貫製鉄所の建設計画を発表。その後、月1回の唐津工場を訪れているほか、原料の安定確保のためオーストラリアに出向いて世界的な鉄鉱石生産業者・BHPビリトンの会長と交渉するなど事業を主導してきた。
鄭会長は先月の唐津工場を訪問し、「一貫製鉄所は自動車産業の国際競争力に直結する。設計の段階から最高品質の鋼板が生産できるよう細心の努力を傾けて欲しい」と檄を飛ばした。今後も、鄭会長は、一貫製鉄所の完成まで陣頭指揮を取るとみられている。