ここから本文です

2006/05/26

<韓国経済>ウォルマート 韓国から撤退

  • keizai_060526.jpg

    高成長を続けているEマートはウォル・マートの16店を加え計95店に増加する(ソウル・倉洞店)

 小売りで世界最大手の米ウォルマートが韓国市場から撤退する。ディスカウントストア「Eマート」を展開する新世界とウォルマートは22日、ソウル市内のホテルで緊急会見を開き、新世界がウォルマート韓国法人の全株式を8250億ウォンで買収すると発表した。新世界は今後、ウォルマートの16店鋪をEマートに変更して営業する。

 具学書・新世界社長は、「今年3月から仏カルフールの買収交渉と同時にウォルマートとも交渉を始め、2週間前に東京で合意した」と明らかにした。また、「年間1兆ウォンを投資している新世界は、買収金の全額を銀行から借り入れても負債比率は170%に過ぎず、2-3年内に十分返済できる」と述べた。

 新世界は、ウォルマートの店舗とともに従業員3356人を引き継ぎ、全員を再雇用、辞表を提出した役員についても最大限雇用する方針だ。

 4月に撤退を表明したカルフールに次いで、ウォルマートも韓国市場から去ることになったが、こうした外資系流通大手の韓国市場での失敗は、現地化努力不足が原因と分析されている。

 98年に韓国マクロを買収して中国に次いでアジアで2番目に韓国に進出したウォルマートは、昨年99億ウォンの営業赤字を記録、シェアも4%を割り低迷が続いていた。

 一方、業界1位のEマートは新たにウォルマート16店舗を加えて計95店舗となり、2位のホームプラスとの格差を広げた。鄭溶鎮・新世界副社長は、「ウォルマートの買収で国内市場で安定的な地位を確保できるだろう。これで中国市場攻略にも自信がついた」と意気込む。

 新世界は、今後30日間、ウォンマートの資産調査などを実施し、公正取引委員会に買収・合併(M&A)の承認を申請、許可が下り次第、本契約を結ぶ。