大韓鉱業振興公社、ポスコ、大洲産業、南海化学など韓国企業が、こぞって北朝鮮の鉱物資源の開発及び確保に乗り出す。この背景には、中国が北朝鮮の茂山鉱山で鉄鉱石を独占採取するなど、北の資源に本腰を入れており、このままでは北の資源を中国に奪われてしまうという危機感がある。日本、EU(欧州連合)なども北朝鮮の鉱山開発に前向きで、北の鉱物資源を巡って国際競争が展開される見通しだ。
業界によると、ポスコは北朝鮮の茂山鉱山から鉄鉱石10万㌧を導入すると明らかにした。さらに大洲産業がセメント用石灰石100万㌧、南海化学は燐灰石100万㌧、韓国工具組合がタングステンの搬入に向け北朝鮮側と交渉に入った。
大韓鉱業振興公社も、威鏡南道・端川市の大興マグネサイト鉱山やコムドク亜鉛鉱山などの共同開発を北朝鮮に呼びかけており、早ければ今年の上半期中に契約を交わし、3年後をめどに工場を立ち上げる計画だ。
外資も、北朝鮮での資源開発に前向きだ。中国・吉林省の鉄鋼大手、東莞集団は、70億元(9100億ウォン)を投じて50年間におよぶ茂山鉱山の鉄鋼石採掘権確保に躍起となっている。
中国3大炭鉱業者の一つであるウカン集団は、北朝鮮最大の無鉛炭鉱であるリョンドン炭鉱と合弁会社設立に合意、山東省のクォダ黄金株式有限公司も2004年に北朝鮮当局と合弁会社を設立し、サンノン山の金鉱開発を推進することに合意している。
ロンドンのアングロシーノ・キャピタルパートナーズ」は、北朝鮮の鉱物資源開発に投資する1500万㌦規模のファンドを設立する予定で、日本の総合商社も北朝鮮への進出をねらっている。
このように北朝鮮の鉱物資源が国際的に注目を集めているのは、韓国の24倍にもおよぶ埋蔵量(2287兆ウォン相当)を抱えているためで、今後手付かずの「宝の山」を巡って国際資本がしのぎを削るもようだ。